★Freeway★c1944-1987ウェッジウッド「ホワイトホール・パウダーブルー」ピオニーのトリオ。ユーランダーと共に。
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ウェッジウッド
「ホワイトホール・パウダーブルー」ピオニー
ユーランダーに続き、併設される
ゴールド・バインのボーダー加える
これもまたV.スキレーン？
自慢のパウダー顔料の高級版
★送料は全国無料。クロネコヤマト便でお送りします。
★常時50点内外を出品中。他のものもぜひご覧ください。
★込み入ったご質問やお問い合わせは次のアドレスへメールしてください。（freeway@deluxe.ocn.ne.jp）
ウェッジウッドが1944年から1987年まで製作した「ホワイトホール・パウダーブルー」（Whitehall Powder Blue）のトリオ。今回は「ピオニー」シェイプです。新品からストックされた未使用品。パターン・ナンバーは、「W3993」。
トリオのバックスタンプはカップが「黒壺にゴールドのレタリング」で1962-1972年に使用したタイプ。ソーサーとサイドプレートは「グリーンの壺にグリーンのレタリング」で、カップの物の一つ手前。仕入れ時にバックスタンプ指定はできませんので悪しからず。
以下は出品中の「リー」の説明を使い回しさせていただきます。
Whitehallは「ロンドン中央部にある官庁街」のことだそうです。どういうイメージを言うんでしょうか。
このパターンは明らかに「ユーランダー・パウダーブルー」の発展形。後継だと思っておられる方もいるかもしれない。
ユーランダーは1927年から作られていますが、終わりがはっきりしないものの、2000年あたりまでは作られたと思います。UlanderもWhitehallも同じ濃いブルーの岩石（貴石）ラピスラズリ（Lapis lazuli）を磨り潰した顔料を使って着色しています。
ラピスラズリは「ラズライトを主成分とし、同じグループの複数の鉱物が加わった半貴石で、和名で「瑠璃（るり）」という。
宝石としての謂れとしては、「邪気を退けるパワーを持つ」とさ れ、外部からの邪気だけでなく、自身の心の邪念も消し去り、怒りや嫉妬などをも払いのけ「危険を回避してくれる」有難い力を秘めているそうです。そういえば、この石を数珠にしたのを見たことがあります。撮影後から販売まで、出品者は何時もユーランダーとかホワイトホールを飾り棚に保管しているのですが、そんな効能を得た感じはしません。いや、よく眠くてぼんやりしてしまいますから、カップから何やら霊気が伝わってきているのかもしれない。
ウィルスに効くようなパワーはないんだろうか。加齢で、怒りや嫉妬などは端から消え去っているので、ただ眠気が起きるのかも知れない。
ユーランダーはパウダールビー、ブルー、ターコイズブルー、グリーン、ペールブルー、ブラックなどがそれぞれの色の石を使い、1927年から一斉に作られ、「パウダー顔料はウェッジウッド」を世界に印象付けています。
短い期間多色を作り、早々にルビーとブルーに収拾しています。何時ものやり口で、ウェッジウッドはパターンをデビューさせる際にたくさんの色を作って見せ、その技術を誇ってみせる。そんな多色は手塗りのウェアでは作り続けるわけにはいかないので、最初にプワッと花火を上げるのです。
ただ、パウダー顔料は自慢の技術なので、ユーランダー2色だけではもったいない。そこでボーダーのみを替えたホワイトホールのパウダールビーとブルーを1944年に加えた。ボーダー以外は同じと言ってもいいですから作りやすい。合理的です。
ちなみに、Ulanderというのは、「月面などの着陸船」という意味だそうですから、顔料にした貴石を「月面の岩石」に見立てたのかも知れません。
ホワイトホールは厚塗りのゴールドラインのボーダーから、白の背景にゴールドのグレープ・バインを描くことで、豪華にして軽やかという、ユーランダーより新しく明るいカップを作り上げました。
これは当時のウェッジウッドのチーフ・デザイナーでプロデューサーでもあった例の、出品者が拘るヴィクター・スキレーンの仕業であろう。何でもかでもスキレーンの手柄にするのかと言われそうですが、簡単に説明しましょう。
スキレーン（1909-1966）は、ウェッジウッド博物館の案内によると、1934年から1965年にウェッジウッドに在職しています。彼が古いフロレンティンのデザインを現在に伝わるデザインにアレンジしたことははっきりしています。その正確な年は分かりませんが、
ホワイトホールは正に在職期間ですし、古くからあったユーランダーを新しくした可能性が高い。いや、そうだと確信します。
ボーダーのゴールドは彼がウェッジウッドの模様として色々作りまくった「アイビー」に似ています。グレープバインはそう、スキレーン・デザインのカップの代表作「サンタ・クララ」のモチーフです。スキレーン、ミリセント・タプリン、ピーター・ウォールの天才3人が同僚として働いた時代の彼らのカップに「グレープ・バイン」が少数顔を出します。
ユーランダーもホワイトホールもリーとピオに・シェイプのツイン・デザインで作られている。ここで気になるのは、「リー」は1910年頃デビューし、短期間使われて後、お蔵入りしていたはず。ホワイトハウスの晩餐会に使われたという名誉もありながら、一時姿を消していたのをスキレーンが再登場させたとされます。1927年に多色で爆発的デビューしたユーランダーが「リー」であったことは間違いないですから、リーの消えた期間は僅かであったようです。
第2次世界大戦が1939年から1945年までありましたから、戦災にも遭い、職人も揃わなかったから、 戦時中に高級カップの製作は出来なかったと考えるのが妥当でしょう。戦後製作ラインの確立を担ったのがスキレーンですが、もしかしたら、ホワイトホールデビューの後、ユーランダーも復活したということも考えられなくはない。現在われわれが手にするユーランダーにしても、あのゴールドラインのボーダーはスキレーンがアレンジした可能性もあると出品者は考えています。
先に出品した「エレーン」というピオニーは、インサイドにこげ茶色のパウダー顔料らしい太いボーダーが塗られ、カップ底に黄色の可愛い花が置かれます。そしてこの花は、ピーター・ウォールの手になるものに違いない。ピーター関連で取り寄せようとしたのですが、今はパウダーにも関心が向かっています。
彼らが活躍した前期には、本来アウトサイド・デザインである「リー」の表に薄いグレーのパウダーを塗り、内側丈夫に花を配した「リーのインサイド・デザイン」も存在することを知りました。とにかくスキレーンという人はとてつもない天才であり、仕事人間であって、ありとあらゆる伝統を蘇生させ、また多くの新しいデザインのカップとパターンのラインを形成しています。
今後も多分皆さんがまだご覧になっていないスキレーン・タプリン・ピーターのデザインになるカップをご紹介し、皆さんと共に「作者」を確定していきたいと思います。自分が発掘するわけではない。USAの未使用品取り寄せ先の倉庫の在庫品としてそれらが眠っているのです。
カップの高さ５．５ｃｍ、口径１０ｃｍ。ソーサーの直径１４．５ｃｍ、サイドプレートの直径は１５ｃｍ。リーはサラダプレートだから、少しだけ安くしました。
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No.108.001.003