ヴィルヘルム・ボーデヴィン・ヨハン・グスタフ・カイテル(Wilhelm Bodewin Johann Gustav Keitel)はドイツ陸軍軍人で国防軍最高司令部(OKW)総長を務めた最高幹部です。カイテルは当初はヒトラーを嫌っていましたが、1933年にヒトラー内閣が成立すると徐々にヒトラーに心酔するようになります。1935年10月には国防省の最重要部署である国防軍部(Wehrmachtamt)の部長に就任しました。これは陸軍大臣フリッチュのブロンベルクへの推挙によるもので、カイテルはヒトラーとブロンベルクの下で昇進を重ね、国防軍のナチ化を進めました。1938年2月にブロンベルク国防相と陸軍大臣フリッチュを解任すると、ヒトラーは後任の国防大臣を任命せず、国防軍最高司令部(OKW)を設立して総長にカイテルを任じました。カイテルはヒトラーの操り人形と呼ばれ、ヒトラーに対する追従のみで元帥となった男と言われていますが、その内面の意志の弱さをうまく利用されたに過ぎません。カイテルは何度も前線への志願や退官を申し出ましたが、最後まで受け入れられず、ニュルンベルク裁判で絞首刑となりました。