いくら軟弱だろうと言われようとも,このメロウでグルーヴィーなスムーヴを聴かずにはいられない・・・・僕にとってケニー・ラティモアは,そんなアーティストです。この手のアーティストとしてはドネル・ジョーンズやジョー,アーヴァント,曲によってはエリック・ベネイなんかも挙げられるでしょうが,僕にととってはどうしてもケニー・ラティモアのインパクトが忘れられません。 2017年秋にリリースされた本作では,先行シングルの「Push」が話題になっていたようですが,個人的にはこの曲は余りピンと来ませんでした。ただ,アルバム全編を通して珠玉のラブ・ソングが目白押し。 冒頭を飾るタイトル「Vulnerable」は,冬空を思わせる寂寥感漂うサウンドに,風に舞って消えてしまいそうな繊細なヴォーカルの哀感漂うミッドテンポ。脆弱,傷つきやすい・・・といった意味のタイトルそのままのナンバーなんですが,何とも意味深ですね。 序盤でグッと心をつかまれたのが「Stay On My Mind」。美しくもしっとりと感傷的なピアノをループさせたサウンドをバックに,シルキーなコーラスとともに感傷的に歌われる感涙もののナンバー。内に秘めた情熱のような熱いサウンドでしなやかにうねる「Curtains Closed」も思わずうっとりしてしまう素晴らしさ。 中盤から後半にかけては,甘美で煌びやかなサウンドも夢見心地の「Priceless」もいいですが,清々しいまでにブライトなサビが素晴らしい「Falling for You」でしょう。伸びやかな歌声に心が洗われます。「One More Night」は,よくあるタイプのメロディーながら,美しいピアノと優雅なストリングスによる正統派バラード。 そして,終盤の「More Than Life」。ロマンティックなメロディーに,しなやかなグルーヴとシルキーな歌声。まるで空を舞い上がっていくかのような心地良さの逸品です。 ボーナス・トラックには,ゆるやかにまったりと流れるメロウなサウンドも心地良いライブ・バージョンの「Never Too Busy」。 元妻のシャンテ・ムーアも同じ時期に新作を発表。こちらケニーのアルバム・タイトルは妙に意味深・・・と何やら良くできた偶然ではありますが,そんな下世話な詮索は抜きにして,とても心地良く胸に染みるR&Bヴォーカル・アルバムです。是非ご一聴を。
Vulnerable
2017年秋にリリースされた本作では,先行シングルの「Push」が話題になっていたようですが,個人的にはこの曲は余りピンと来ませんでした。ただ,アルバム全編を通して珠玉のラブ・ソングが目白押し。
冒頭を飾るタイトル「Vulnerable」は,冬空を思わせる寂寥感漂うサウンドに,風に舞って消えてしまいそうな繊細なヴォーカルの哀感漂うミッドテンポ。脆弱,傷つきやすい・・・といった意味のタイトルそのままのナンバーなんですが,何とも意味深ですね。
序盤でグッと心をつかまれたのが「Stay On My Mind」。美しくもしっとりと感傷的なピアノをループさせたサウンドをバックに,シルキーなコーラスとともに感傷的に歌われる感涙もののナンバー。内に秘めた情熱のような熱いサウンドでしなやかにうねる「Curtains Closed」も思わずうっとりしてしまう素晴らしさ。
中盤から後半にかけては,甘美で煌びやかなサウンドも夢見心地の「Priceless」もいいですが,清々しいまでにブライトなサビが素晴らしい「Falling for You」でしょう。伸びやかな歌声に心が洗われます。「One More Night」は,よくあるタイプのメロディーながら,美しいピアノと優雅なストリングスによる正統派バラード。
そして,終盤の「More Than Life」。ロマンティックなメロディーに,しなやかなグルーヴとシルキーな歌声。まるで空を舞い上がっていくかのような心地良さの逸品です。
ボーナス・トラックには,ゆるやかにまったりと流れるメロウなサウンドも心地良いライブ・バージョンの「Never Too Busy」。
元妻のシャンテ・ムーアも同じ時期に新作を発表。こちらケニーのアルバム・タイトルは妙に意味深・・・と何やら良くできた偶然ではありますが,そんな下世話な詮索は抜きにして,とても心地良く胸に染みるR&Bヴォーカル・アルバムです。是非ご一聴を。