ミネソタ州セントポールで80年代半ばに結成された自作自演のR&Bバンド,ミント・コンディション。シンセサイザーやコンピュータ・プログラミング,録音技術の発達により,1人でフルオーケストラのサウンドが再現できる今日,バンドマンにとっては過酷な状況下にありながら,30年余り活動を続け,今もマイペースで良質のアルバムをリリースするイカしたグループです。そのフロントを張ってきたストークリー・ウィリアムズがソロ・アルバムをリリースしました。 スリリングで情熱的なアップテンポにメロウなバラードというバンド音楽の王道を貫くミント・コンディションに対して,大らかでのんびり穏やかな雰囲気も漂わせる作品になっています。例えば,軽快なカッティング・ギターで幕を開ける「Level」。ブライトなメロディーでゆったりと心地良くスウィングするサビが印象的です。そして,「Victoria」。スティールパンのキラキラとしてのどかなサウンドも心地良いバラード。伸びやかな大らかな歌声も気持ちが良いですね。Estelleとデュエットした「U&I」は,ほのぼのとした愛らしいメロディーが胸に染みるラブ・バラード。こんな優しい曲ってミント・コンディションでは聴いたことがありません。 もちろん,ミント・コンディション流儀のナンバーもたくさんあります。 雷雨の効果音とともに幕を開け,ヘヴィなギターが情熱的にうねるファンク「Forecast」,天空に昇っていきそうな浮遊感のあるメロディーにホーンセクションを交え,高速スキャットまで披露する「Cross the Line」(Robert Glasper参加!),硬質でタイトなビートでスタイリッシュに決めた「Hold My Breath」,ブルージーなキーボードにホーンセクションでしなやかにうねる「We/Me」(伸びやかで艶めかしいヴォーカルもイイです)など。 そして,特筆すべきは,メロウ・チューン。切ないピアノで幕を開ける「Organic」。内省的な感傷的なメロディーにハイトーンでソフトな歌声。鳥肌もののシャウト。心が震える逸品です。続く「Think About U」。こちらは,甘美でロマンティックなミッドテンポ。天にも昇る夢見心地のサウンドがたまりません。やっぱり,ストークリーに美メロ,聴きたいですよね。 というわけで,ミント・コンディションならではの魅力を残しつつ,ストークリーの個性も感じさせる意欲作。これはお薦めです。
Introducing Stokley
スリリングで情熱的なアップテンポにメロウなバラードというバンド音楽の王道を貫くミント・コンディションに対して,大らかでのんびり穏やかな雰囲気も漂わせる作品になっています。例えば,軽快なカッティング・ギターで幕を開ける「Level」。ブライトなメロディーでゆったりと心地良くスウィングするサビが印象的です。そして,「Victoria」。スティールパンのキラキラとしてのどかなサウンドも心地良いバラード。伸びやかな大らかな歌声も気持ちが良いですね。Estelleとデュエットした「U&I」は,ほのぼのとした愛らしいメロディーが胸に染みるラブ・バラード。こんな優しい曲ってミント・コンディションでは聴いたことがありません。
もちろん,ミント・コンディション流儀のナンバーもたくさんあります。
雷雨の効果音とともに幕を開け,ヘヴィなギターが情熱的にうねるファンク「Forecast」,天空に昇っていきそうな浮遊感のあるメロディーにホーンセクションを交え,高速スキャットまで披露する「Cross the Line」(Robert Glasper参加!),硬質でタイトなビートでスタイリッシュに決めた「Hold My Breath」,ブルージーなキーボードにホーンセクションでしなやかにうねる「We/Me」(伸びやかで艶めかしいヴォーカルもイイです)など。
そして,特筆すべきは,メロウ・チューン。切ないピアノで幕を開ける「Organic」。内省的な感傷的なメロディーにハイトーンでソフトな歌声。鳥肌もののシャウト。心が震える逸品です。続く「Think About U」。こちらは,甘美でロマンティックなミッドテンポ。天にも昇る夢見心地のサウンドがたまりません。やっぱり,ストークリーに美メロ,聴きたいですよね。
というわけで,ミント・コンディションならではの魅力を残しつつ,ストークリーの個性も感じさせる意欲作。これはお薦めです。