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こけし・改訂版/土橋慶三・西田峯吉/こけし鑑の現代版/伝統こけしが滅びてしまうことを憂い保護・温存・育成を目的として本書を刊行する
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昭和34年 112P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
「こけし」は、元来幾百年の伝統を誇る、東北独得の民芸品であると共に、わが国の貴重なる文化財の一つで もあるのだが、戦後新こけし(こけし人形と一般に呼ばれている)なるものが、こけしブームに便乗して、全国的に氾濫した結果、伝統こけしの真の姿が案外伝えられていない。これは甚だ遺憾のことだ。
戦前伝統こけしに関する文献は、相当出たのであるが、いずれも専門的研究書で難解のものや、亦極少部数の限定出版が多かったので、いまでは稀覯本に属し、徒に好事家の所有に帰している場合が多く、一般の人たちの眼にふれる機会が、殆どないと言ってよい。
その中で、これも戦前のことであるが、誰にも解るように、やさしく書かれた伝統こけし全般のことを網羅した本が二冊出たことがある。
その一冊は、橘文策著「こけしと作者」昭和十四年七月 大阪福音社発行で発行部数は確かでないが、多分三百部位出たのであろう。これは、その当時として、こけしの鑑賞、蒐集の手引書として、 こけしの愛好家に、非常に喜ばれた便利な本であった。
もう一冊は、溝口三郎、金森〇、西田茶言、土橋慶三共著「こけし鑑」昭和十七年十一月 京都便利堂発行である。この本は、凡ゆる角度から、既刊のこけしに関する文献の誤りを正し、且つ又こけし鑑賞の規準を設定した「こけし」の定本とも言うべき画期的出版であった。収録した図版は、原色版八頁 (名品こけし四十木)、写真版六十三員(三百三十三本のこけし)、本文こけし解説百九頁、其他工人名簿と索引を添附してある。初版三百部、再販三百五十部、計六百五十部、世に出たのであるが、戦災で大半が灰燼に帰したので あろうか、現在では前記の二つの本も、稀覯本の部類に属し、偶々市場へ出ると、二千円から三千円の高値を呼んでいる。
そこで、われわれは、美術出版社々長大下正男氏に懇請して「こけし盛」の現代版を出していただくことにした。しかし、この出版は美術出版社として単なる営利が目的でなく、貴重なる文化財として「こけし」を保護する立場からの犠牲的出版であることを知っているが故に、われわれ著者としても、責任重大なる感じ、凡ゆる努力と殖器とを傾けたつもりである。若し、幸いにこの本によって、伝統こけしの真の姿が伝えられ、併せて、その保護育成の一助ともなれば、著者として望外の欣びである。
お探しの方、お好きな方いかがでしょうか。
中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙傷、汚れ、やけ。ページ小黄ばみ、ややしみ。昭和34年ですので経年感はあります。ご理解の上、ご入札ください。もちろん読む分には問題ありません。224122
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