八木沢里志★森崎書店の日々（全２巻）★ 小学館文庫
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「森崎書店の日々」 ２０１０年 ９月 文庫初版
「続・森崎書店の日々」 ２０１２年 ２月 文庫２版
定価 ４７６円、５１４円＋税 ２０５頁、２５３頁
２５歳の貴子は、一年ほども付き合っていた恋人から突然結婚を告げられる。突然に驚くが相手は、同じ職場の女性だった。食欲も進まず、会社も辞めることになった。そんな貴子の元に、突然伯父のサトルから電話がある。子どものころは懐いていたが、高校生の１０年前から会ったことはない。神田の神保町で近代文学専門の古書店を開いているサトルは、大人になった貴子から見れば、飄々としていると言えば言えるが、取り留めのない人物だった。「家賃は要らないから、店に住み込んで、仕事を手伝って欲しい」という。本屋のさがで腰を痛めたサトルの家は国立にあるが、本屋の２階に住んで朝の開店業務をしてほしいというのだ。母の、家に帰るかそこに住むのかの２者選択を迫られた貴子は、いやいやながら古書店の２階に越して来た。最初は店に出ている以外は、寝てばかりいた貴子が次第に、神保町になじみ、過去に向き合いながら成長していく姿を描く。『桃子さんの帰還』前編の続編。過去から巣立つ事のできた貴子は、叔父のサトルからまたしても突然電話を受ける。あれから１年半、馴染みになった神保町には今でも顔を出していたのだが、落ち着きのないサトルの言う事には、５年前に突然居なくなった妻の桃子さんが戻ってきたというのだ。今でも桃子さんを愛しているサトルだが、怖くて何で居なくなったのか聞くことができない。貴子に、その間の事情をさりげなく聞いてほしいという。５年間がなかったように桃子さんは明るく、貴子にせっして、家庭料理を振舞って、たちまち虜にしてしまう。森崎書店のその後を描く。
＜２＞ 失恋から立ち直った貴子は、今でも神田の古本屋に通っている。仕事も決まっているが、ここの町は忘れられない。行きつけの喫茶店で新しい恋人とのお茶は最高。でももうひとつ踏み出せない。自分をさらけ出せないのだ。そんな時、おじさんの久しく戻って居なかった妻のがんが再発したという知らせが。余命宣告され、残された時間は。残された時間の中で残す言葉は。
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個人の蔵書なので、すべて一読はしています。すべて自分で読むために購入した本です。
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