【陶磁器コレクション】「清玩華甲抄」佐藤千寿　1981年 61点解説付き壺水瓶甕☆中国清青磁宋漢白磁蒔絵白瑠璃小山富士夫 2ろO1y

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【陶磁器コレクション】「清玩華甲抄」佐藤千寿　1981年 61点解説付き壺水瓶甕☆中国清青磁宋漢白磁蒔絵白瑠璃小山富士夫 2ろO1y

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カテゴリ	本、雑誌アート、エンターテインメント工芸作品集
状態	やや傷や汚れあり
個数	1
返品	返品不可
自動延長	あり
早期終了	あり
入札者評価制限	あり
入札者認証制限	なし
落札者	ログインして確認
開始価格	350 円（税 0 円）
開始日時	2023.12.07（木）01:27
終了日時	2023.12.10（日）22:27
オークションID	m1114094846

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【【陶磁器コレクション】「清玩華甲抄」佐藤千寿　1981年 61点解説付き壺水瓶甕☆中国清青磁宋漢白磁蒔絵白瑠璃小山富士夫 2ろO1y】

２７×１９cm

扉に署名入り。

３６３ページ

美を尊ぶ心

小山冨士夫さんがまだ鎌倉で元気なころ、その肝いりで、「私のあつめたやきもの展」というのが年に回、鶴岡八幡宮境内の神奈川県立近代美術館で行われた。湘南在住の名の通ったコレクターたちが、これはと思う蒐集品を数点づつ陳べるわけだが、いつもキラッと光る個性豊かな陶磁器を出品する方がいた。

滋味あふれる中国の古染付のときがあるかと思うと、遠くの高原から太鼓の音がひびくかのような古代メキシコの楽人土偶のときがあり、自然児を思わす東方の李朝鉄砂の徳利がでるかと思うと、豪華きわまりない西方スペインのイスパノモレスクのことがあった。また酒器のならぶ時は枯淡な酒客を思わせ、華麗な大皿の飾られるときは豪奢を己れのものとする富者のおもかげがあった。まことに端倪すべからざる人物だと思った。名札を見ると、その出品物にはいつも「佐藤千壽氏」と記してあった。

鎌倉に居をかまえた佐藤さんは、かねてからすぐれたコレクターとして知られていた。わたくしも小山冨士夫さんや渋江二郎さんから、しばしば、豪放で緻密なその生活ぶりを聞かされており、事業と生活と趣味を渾然と融和させている達人であることを知っていた。

その佐藤さんがこの度、華甲を自祝して、自身のコレクションから六十一点を選び、これを見事な原色版で再現するとともに、その一々に詳しい解説や思い出をつけ、世に問われることになった。「清玩華甲抄』である。選ばれた古美術品をみると、東はわれわれの日本から朝鮮・中国にのび、ついで中央アジアからインド・イラン・シリア・トルコなどを通り、西はギリシア・エジプト、

さらにはスペインにまで達している。まさしく広遠な東西交通路の両終点をむすぶ古美術の饗宴場の観がある。しかもそれは陸路と海路の双方を歩み、時代は先史時代から近世にまでおよんでいる。そればかりではない。選ばれた々には、目を見張る美しさ、厳しさ、暖かさがある。この著者の古美術を眺める視野の広さ、求むるところの深さ、美に対する感覚の鋭さをみることができる。「文は人なり」というが、これを見ていると、まことに「蒐集は人なり」の言葉があたる。この著者にとって古美術とは、單に美を求める心を満足させるためだけのものではなく、これを生みだしたそれぞれの地域の人々の、喜びと哀しみを読みとるための存在でもあったのである。

佐藤さんのこのような考え方は、いま一つの別の事業にも現われている。同じく華甲を記念して「美術工芸振興佐藤基金」という財団を作り、美術を学ぶ内外の研究者に対して研究の助成を行い、コレクションを開放して研究の便をはかり、また美術を愛する人々のために啓蒙の仕事をしておられるのがそれである。おもうにこうした財団の活動と本書の出版は、まさに表裏一体をなすものといえよう。

わたくしは、美しくして価値高い『清玩華甲抄』の出版を喜ぶとともに、つづいて古稀抄、喜壽抄、さらには米壽抄、千壽抄が自選、出版されることを心から願っている。

一九八一年三月一五日

北鎌倉白水書屋にて

三上次男

【状態】

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