これはもうほとんどパーフェクトに近い作品集と言ってもいい。セキュラーも含めて素晴らしい歌を聴かせてくれる人は数多いが、 彼女の歌に触れるとその格の違いが改めてわかる。それに加え、今回はレパートリーの充実度が並外れて凄い。普通のR&Bアルバムではちょっと体験できない澄み切った美しさを湛えた“Be Sure”に始まって、ティム&ボブのプロデュースによる雅びやかなミディアム“I'll Be Right There”、マイク・シティ作のまろやかなリズムの上でヨランダ・アダムスと相対する“Brand New Day”、ミッシー・エリオットが提供したファンク臭のきつい“Only Call On Jesus”と、曲単位で挙げていったらキリがない。 これだけ豊かな気持ちにさせてくれるアルバムというのも、めったにないだろう。
2nd Chance