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    希少図録本 ジノリ展 カポディモンテ頁

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    ジノリの歴代窯印多数掲載

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図録本 ジノリ展 イタリア陶磁器の伝統と革新 作品集 写真集 マーク窯印銘刻印


2001年
東京都庭園美術館 滋賀県立陶芸の森陶芸館
作品写真図版フルカラー
ソフトカバー
227ページ
29x23x2cm


※絶版


265年に及ぶイタリアを代表する陶磁器リチャード・ジノリの変遷をたどる
「イタリア陶磁器の伝統と革新 ジノリ展」の公式図録本。
フルカラー作品写真図版161点、作品解説、マーク・窯印22種、銘と刻印の表記30種の図と年代等窯印解説も収載。

開窯期からの歴史的名品を所蔵する、セスト・フィオレンティーノ市ドッチア美術館の所蔵品を
まとめて日本で紹介した初めての大規模展覧会。

「カポ・ディ・モンテ」「インペロ」など各時代の代表作を年代順に紹介し、
ジノリの代表的なモティーフである「イタリアン・フルーツ」の発祥の縦緯と変遷を物語る代表作品、
日本人にとって馴染み深いアール・ヌーヴォー期のジャポニスムの作品など図録には、
皿、深皿、コーヒーセット、ポット、壺、カップ&ソーサー、ティーセット等161点をフルカラー収録。

論考テキスト、各作品の詳細な解説、マーク・窯印・銘・刻印の来歴や年代、年譜、用語・技法の解説を付したもの。
リチャード・ジノリは日本でも人気があるものの、作品集や解説本は類書も殆どなく、愛好家必携の大変貴重な最高峰の資料本です。


【主催者挨拶より】
 このたび、イタリアを代表する陶磁器リチャード・ジノリの変遷をたどる「イタリア陶磁器の伝統と革新 ジノリ展」を開催いたします。
 1737年、フィレンツェのカルロ・ジノリ侯爵が自領ドッチアに窯を興したことから、以後今日まで265年に及ぶリチャード・ジノリの歴史が始まりました。
 ジノリの歴史は大きく五期に分けることができます。イタリア初の磁器を完成してから、ジノリ侯爵家の四期にわたる各当主自らが、研究改良に貢献し王侯貴族の顧客を得て発展しました。外国との交流、特にフランスからの影響を反映しながら原料土の研究や技術の研鑚を重ね、四代目ロレンツォの時代には万国博覧会への出品により世界的な評価を確なしました。1896年にはミラノのリチャード社と合併し、リチャード・ジノリとして近代化の道を歩み始めます。この第五期に代々のジノリ侯爵家からリチャード・ジノリ社へと窯の運営は移りましたが、当時隆盛していたアール・ヌーヴォーの反映や、アール・デコ期の20世紀イタリア建築界の第一人者ジオ・ポンティの招聘など、リチャード・ジノリは伝統を守りつつ革新的な作品を世界に送り続けてきました。
 本展ではルネサンス期からマジョリカ焼の伝統があったイタリアに、材質、焼き方ともに異なるジノリ窯が作られた経緯を歴史的に明らかにし、「カポ・ディ・モンテ」「インペロ」など各時代の代表作を年代順に紹介し、ジノリの代表的なモティーフである「イタリアン・フルーツ」の発祥の縦緯と変遷を物語る代表作品、日本人にとって馴染み深いアール・ヌーヴォー期のジャポニスムの作品、またジオ・ポンティと同時代の作家たちとの交流を小す作品などを展示いたします。また特別出品として岩倉使節団全権大使、岩倉具視がドッチアを訪れた際に記念として残したサイン・プレートも展示されます。
 本展は2001年日本におけるイタリア年に際して開催されるものであり、カルロ・ジノリ侯爵の時代に設立され、開窯期からの歴史的名品を所蔵するセスト・フィオレンティーノ市ドッチア美術館の所蔵品がまとめて日本で紹介される初めての展覧会です。この機会に日本でも人気の高いジノリ作品をその歴史とともにご鑑賞いただければ幸いです。
 最後になりましたが本展覧会開催にあたり、本展イタリア側監修者フィレンツェ・ピストイア・フラート美術監督局美術文化技官マリア・マティルデ・シーマリ氏をはじめとするイタリア文化財省関係者の皆様方、貴重な所蔵品を快くお貸し出しくださいましたドッチア美術館責任者パトリツィア・ボンジョルノ氏をはじめとする関係各位に深謝申し上げるとともに、ご後援いただきましたイタリア大使館、ご協力いただきましたリチャード・ジノリ社、アリタリア航空をはじめとする関係機関に心より御礼申し上げます。


【目次より】
ドッチア窯小史 マリア・マティルデ・シーマリ
ジオ・ポンティの世界 井関正昭
ドッチアの装飾様式における趣味の発展 マリア・ピア・マンニーニ
ドッチアの磁器製彫刻 マーラ・ヴィゾナ
ドッチア美術館 マルッイア・アントニ一二
Catalogo (図版)
出品目録
用語解説       
技法解説
ジノリ略年譜
マーク (図・解説)
銘と印の表記 (図・解説)


【凡例より】
各出品作品のデータは、ドッチア美術館が作成したもの
に各機関関係行が編集を加えたものを日本側で翻訳
した。
データでのNR.INV.は、ドッチア美術館の所蔵番号で
ある。
図版には作品爵号、作品名、時期、制作者(絵付、成型、デザイン)
年代、サイズ(cm)を記載した。巻末リストには加えて素材と技術、銘-マーク、NR.INV.を掲載
した。
各期の年代と当主は以下の通りである。
第一期
1737-1757 カルロ・ジノリ
第二期
1758-1791 ロレンツォ・ジノリ
第三期
1792-1837 カルロ・レオポルト・ジノリ・リーシ
第四期
1838-1878 ロレンツォ2世ジノリ・リーシ
第五期
      カルロ・ベネデット・ジノリ・リーシ(1879-1896)
      リチャード・ジノリ陶磁器会社(1897- )
*日本では第五期の始まりをリチャード杜との合併の1897年とされているが、本展では監修社の見解に基づき第五世代カルロ・ベネデット・ジノリ・リーシの時代を第五期とした。

【ドッチア窯小史】 より 一部紹介
 18世紀前半のヨーロッパでは、硬質磁器の窯の数は本当にわずかなものだった。1710年頃にドイツのドレスデン近郊に位置するマイセンで、ヨハン・フリードリヒ・ベットガーと化学者エーレンフリート・W・ティルヘンハウスの手で、カオリン土の改良が実験され、製造が開始された。硬質磁器がヨーロッパで二番目に製造されたのはウィーンで、クラウディウス・インノセント・デュ・パキエが1718年に始めた。続いて、長くは続かなかったものの、ヴェネツィアでヴェッツィ兄弟の手で製造が開始されたのが1720年である。フィレンツェ近郊のドッチアでの製造が1737年から始まり、さらに1743年にブルボン家出身のカルロス3世(スペイン国王)の命を受けて、
ナポリのカポ・ディ・モンテでの製造が開始された。
 このように、フィレンツェからわずか数キロ離れたところに位置するセスト・フィオレンティーノのドッチア地域でジノリ窯が誕生したのは、硬質ペーストの磁器製造を町能とするような素材で、かつ型を作ることのできる土の混合の探求と実験が行われていた初期のパイオニア的段階に位置している。16世紀後半の、メディチ家のフランチェスコ1世大公の時代の錬金術を思わせるさまざまな密かな実験は、もはや遠い過去のこととなり活動は休止していた。そのために、イタリアで始まった磁器製造に関しては、東洋世界とは異なり、歴史的な連続性や、前例となる伝統を見いだすことは難しかったのである。(後略)


【マーク】より 一部紹介
ドッチア窯の作品を他の窯の作品と区別するために、マークをつけるようになったのは18世紀も終わり頃である。
このような方策は、1760年頃のサンローランの助言によるものらしい。
マークとして、ジノリ家の、貴族の紋章である三ツ星が選ばれた。その後、その他のマークに変更された。
M1.
星の刻印:1790代に見られ、1810年代初めにも用いられた。
M2.
描かれた星:通常1800年から1840年の間に見られる。概して藍、赤、もしくは金彩で表される。
M5.
彗星:金で、細密画も含む品の高い装飾がほどこされた磁器に付けられた。1820年頃
M6.
1810年から1860年に使われた素地の品質の違いを表したと思われる細い線の刻印。
M22.
王冠を戴いたGINORI:現代作品に用いられているマーク。

ほか


【銘と印】より一部紹介
銘と印の表記については、ドッチア窯の製品に付けられている全ての図案、サイン、刻印、数字の他、まれに、または不規則にあらわれる印を理解する必要がある。

S1.
数字:1737年から1745年の間に見られる。刻印、または釉薬の下に青、または赤で書かれている。素地の種類を示す。
S2.
釉薬の下に青色で書かれたオメガによく似たAの文字。
1742年ころの、おそらくカール・アンライターの作のものと思われる、絵付けの特に秀でたいくつかの作品に付けられている。
S3.
カール・アンライターの略号。 1740年頃制作されたトロポー博物館所蔵のデミタスカップに付けられている。その他“フィレンツェ"の銘も見られる。このオーストリアの絵付師が、この略号やその他のサインにも見られるように、ドッチア滞在中、彼の名前であるカールのイタリア語訳カルロを用いていたことは注目に値する。
S4.
フィレンツェのボンディ・コレクションに保作されている、イストリアートの浮彫り装飾がされた小プレ一卜に書かれたカール・アンライターのサイン。
ほか

【掲載作品一部紹介】一部図録に掲載されていない現代の呼称も加えています
踊りの伴奏をするファウヌス
ヴィーナスとアドニス
メディチのヴィーナス
オランダ風花模様の皿(国王風) オランダ風花模様のレグミエーラ オランダ風花模様の深皿クレスピーナ ほか
グランデューカ/グランドゥーカ 東洋風花模様の深皿 (大公)東洋の庭
草花模様のコーヒーセット
伊万里風装飾のコーヒーセット
チューリッパーノ 皿・カシュポット 
赤い雄鶏 スープ入れ・大皿
小バラ模様 マレシャッラ ヴィラ・アドリアーナ 
小バラ模様とリース模様のコーヒーセット ガーデンローズ
小バラ模様の皿 アンティックローズ 小バラ模様のスープ入れ 小バラ模様のバスケット ほか
イタリアン・フルーツ 大皿 深皿 前菜皿 小盆 コースター カシュポット
ポンペイ風カメオ装飾 皿 トンディーノ スープ入れ ポンペイ風カメオ装飾のコーヒーセット
ブーケ模様のナイトランプ ボナノッテ
パエジーニ 風景文様のタイル
トンディーノ 風景文様の皿
ポンペイ風文様の皿 ポンペイ風文様の皿 トンディーノ
ポンペイ風文様のチョコラータセット テート・ア・テート 差し向かいで
トロンブ・ルイユ だまし絵 文様のコーヒーセット
グランド・ツアー スープ入れ グランド・ツアー サラダボウル コーヒーセット ほか
産婦のためのブーケ模様のカップとソーサー
植物学図の皿
ビーダーマイヤー様式の産婦のためのカップとソーサー
カッシーネ農場風景の皿 フィレンツェ大聖堂風景の皿
岩倉使節団の皿
ケディヴェ ケディベ エジプト総督のための透かし模様皿 エジプト総督のためのトレイ エジプト総督のためのカップとソーサー エジプト総督のための前菜皿 
グロテスク模様の皿 
大皿 歴史的場面 絵皿
大皿 プラトン哲学討論会 絵皿
皿 メディチ家の紋章 小杯 メディチ家の紋章
ヘビ型把手の大壺 翼型把手の壺 
陶板 首の長い聖母 聖母子 
絵皿 女性 ミラノ大聖堂風景皿 ほか
サヴォイア家ウンベルト1世のための植物と蝶の文様のデザート皿 サボイア家
サヴォイア家ウンベルト1世のための植物と昆虫文様のデザート皿
サヴォイア家ウンベルト1世のための黒いちごと蝶の文様のデザート皿
サヴォイア家ウンベルト1世のための植物と蝶の文様のデザート皿
サヴォイア家ウンベルト1世のための森のフルーツと蜻蛉文様のデザート皿 サボイア家森の果実
チョコラータポット インペロ
ティーセット カポディモンテ イストリアート
コーヒーセット カポディモンテ イストリアート
コンソメカップ カポディモンテ イストリアート
大皿 絵皿 ときが記録する物語
蛇とミドリトカゲの懐中時計スタンド
三美神の花器 木の幹から出る裸婦像の壺 四人の女性像の壺 女性胸像の壁飾り 
孔雀の壺
チョウセンアザミ文様の皿
シクラメン文様の皿
カップとソーサー メディチ家の指輪の紋章
メディチ壺
鳥文様の産婦のためのカップとソーサー
ジオ・ポンティ チスタ 古典的な会話 鉢 古典的な象形 
ジオ・ポンティ 大壺 プロスペッティカ 
ジオ・ポンティ 大皿 ポンテスカ 大壺 花の上に座る私の女友だち
ジオ・ポンティ 氷入れ 壺 多産なセイレン 在外イタリア大使館のためのセンターピース 遠近法的幾何学文様の小鉢 幾何学文様の小鉢 皿 狩り タロットカード 愛の凱旋 オブジェ ほか


★状態★
外観は通常保管によるスレ・小きず程度、
カラー写真図版良好、本文目立った書込み・線引無し、
問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)


<絶版・入手困難本>オークションでも数少ない、貴重な一冊です。
古本・中古品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。


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