吉良の仁吉 尾崎士郎 春陽文庫 送料込み
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この度はご閲覧いただきまして、ありがとうございます。送料込みの設定とさせていただきます。
昭和42年7月初版。
経年劣化があり、全体にヤケ、黒ずみ汚れ。カバー見開き部にヤブレ。11ページ目に製本ミスによる折れ目あり。
通常の読書にご不便はありませんが、あらかじめご了承ください。
吉良常、飛車角…と言えば、「人生劇場」。
「人生劇場」と言えば、文豪・尾崎士郎。
尾崎士郎と言えば、吉良町の出身。
尾崎士郎が郷土の英雄（？）、吉良の仁吉と吉良上野介を史伝風に描いた名作二編を収録しています。
ご存知、荒神山の決闘。
清水次郎長vs黒駒勝蔵の代理戦争でもあったこの喧嘩、仁吉は清水一家の鉄砲玉でもあったわけですが、彼はあくまでも「神戸の長吉の縄張りを取り戻す」と、筋を通しました。
一本筋を通したという点では、吉良上野介もそうであり、上野介を最後まで守った若き剣客・清水一学も同じでした。
「本所松坂町」では、地元に伝わる上野介の善政を紹介し、民に心から慕われていた彼が、手前勝手な逆恨みをされた挙句、理不尽な暴力で命を奪われる悲劇を、「忠臣蔵」を逆照射する形で描いています。
時代劇では、吉良方唯一のスゴ腕として描かれる清水一学。
上杉家からの付き人と誤認されることも多いのですが、農民出身の一学がなぜ上野介の近習になったのか…人情豊かな上野介の名君譚です。
表題作「吉良の仁吉」、「本所松坂町」のほか、「春の夕ぐれ」「関門海峡」「放浪大名」の五編を収録。
「放浪大名」の主役は立花宗茂。
牢人して尾羽打ち枯らしながらも、あっぱれ名将の気概を失わず。
その宗茂が旅先でこれまた豪傑の後藤又兵衛を唸らせ、江戸へ出ては本多正信を慌てさせる…痛快な一編となっています。
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