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象山佐久間先生/昭和13年/内閣総理大臣近衛文麿下書/和装本/飯島博士の著は簡にして要を得文章讀して象山先生の全貌に接するの想がある
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象山先生は若くして和漢の學に通じ、また洋學を修め、特に意を國防の 事に注ぎ能く彼此の長短を明かにせられて博覧強記識見高邁の方であ されば松代藩士として盡された所多きのみならず遂に天下の人 物となられた。先生は門人なる吉田松陰を勧めて海外に遊ばしめんと せられたが松陰も天下の人物である。而してその松陰は先生を尊んで 俊傑と稱へてゐるのである。
予は夙くより象山先生の人物事業を敬慕してゐたが去る大正二年松 代に於ける先生の五十年祭には幸に参列して、その後に長野で一場の講 演を試みたことがある。今?昭和十三年またその七十五年祭を修せら
れ、又象山神社を建してその莊嚴を悉されるとのことであるが、病の爲 めに参列することを得ぬのは遺憾千萬の次第である。しかし幸にして ここに飯島忠夫博士の著された「象山佐久間先生」がある。先年象山全集 の出版があったが、飯島博士の著は簡にして要を得文章
讀して象山先生の全貌に接するの想がある。
佐久間象山
さくましょうざん
1811?64
幕末の朱子学者・蘭学者・兵学者
「ぞうざん」とも読む。信濃（長野県）松代藩士。佐藤一斎に朱子学を学ぶ。のち蘭学に励み，江川太郎左衛門の門に入り洋式砲術を学ぶ。1851年江戸に塾を開き砲術・兵学を教え，西洋技術と東洋精神の融合を説く（東洋の道徳，西洋の芸術）。勝海舟・坂本竜馬・吉田松陰らがその門から輩出。開国論を主張し攘夷論者に京都で刺殺された。
出典 旺文社日本史事典 三訂版
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