本作に収められているのは、初のソロツアー“BACK TO THE LIGHT TOUR”のためのリハーサル。当時、ブライアンの再起に尽力していたドラマー:コージーが記録したもの。いわゆる“コージー・テープ”コレクションです。テープ2本分から起こされており、ディスク1はコージーが「FINAL DAY」と手書きしたTDK SA90カセット、ディスク2には何も書かれていなかったFUJI DR-Ix 60カセットをそのままダイレクトに収録しています。もちろん、2本の内容は似て非なる物。それでは、それぞれ個別にご紹介していきましょう。
そのサウンドで描かれるリハーサルは、まるでライヴ本番かのような熱演。演奏される曲はほとんどが完奏であり、フレーズの練習やアレンジに迷うような事もなく、英国ロック最強のリズム隊と言われたコージー&ニール・マーレイの妙技が炸裂し、ブライアンのヴォーカルも目の前に観客がいるかのように力強く吠えている。そして、演奏されるのはソロアルバム『BACK TO THE LIGHT』とQUEENの名曲群。「Too Much Love Will Kill You」は『MADE IN HEAVEN』に、「Driven By You」は『GREATEST HITS III』にも収録されたので、QUEEN限定ファンの方にもお馴染みかも知れません。
そのほとんどがオフィシャルのライヴ作品『LIVE AT THE BRIXTON ACADEMY』でも聴けたレパートリーですが、例外なのは「Let Me Out」。エディ・ヴァン・ヘイレンとのEP『STAR FLEET PROJECT』ナンバーで、ツアー本編でもホンの数回しか演奏されなかった曲。その生演奏を(しかもコージー付きで!)聴けるのです。また、『LIVE AT THE BRIXTON ACADEMY』と同じ曲でもアレンジが異なっている。ツアー中盤から「Love Token」は「Headlong」に繋がり、「Resurrection」には「Bohemian Rhapsody」が挿入されるアレンジになっていきましたが、ここではそれぞれ単独で演奏。「39」もアカペラではなく、ブライアンのアコースティック・ギターとニールのベースによる短いインストです。
こなれていない演奏はショボい……かと思いきや、そうではない。こなれていないからこそプレイヤー自身の素のノリが現れ、探りがあるからこそフレキシブル。ステージ本番のような熱気やテンションは望むべくもありませんが、音楽を「表現」ではなく「コミュニケーション」と捉えると実に多弁で面白い。しかも、その主が他の誰でもない天才ブライアン・メイやコージー・パウエル達なのですから……。また、ちょっと面白いのが「Since You Been Gone Melody」。ここではブライアンがまだ曲を覚えておらず、メロディを独り弾きながら鼻歌のように歌っているのです。
フレディ亡き後、QUEENの遺産をソロとして引き継ごうとしていたブライアン・メイ。そして、その再起を支え、ド迫力なドラミングでQUEEN時代とは違う魅力を引き出していた盟友コージー・パウエル。そんな2人が素晴らしき“BACK TO THE LIGHT TOUR”を築き上げていく現場に立ち会える極上リハーサル・アルバムです。英国ロックに巨大な足跡を残した英雄たちと共にするひととき。ぜひ、永久保存プレス2CDでたっぷりとご堪能ください。
★初のソロツアー“BACK TO THE LIGHT TOUR”のリハーサル・アルバム。当時のドラマー:コージー・パウエルが秘蔵していたカセットからダイレクトにデジタル化された激レア・極上の1本です。カセットは2本で、ディスク1はリハの最終日、ディスク2にはリハ中期が記録されています。そのサウンドは、超リアル。ライン録音ではなくドラムの側に立てたマイクで録音したものらしく、ドラムが猛烈にダイレクト。ヴォーカルやベースはやや遠目なものの、ギターもサウンドボードかと思うほどに極太です。そして、そのリハが凄い。特にリハ最終日はライヴ本番かのような熱演で、QUEEN曲も初期アレンジですし、公式ライヴ作品『LIVE AT THE BRIXTON ACADEMY』でも聴けない「Let Me Out」もたっぷり味わえます。
★2003年リリースのコージー・テープの初期作品。音質・貴重度最強です。
Disc 1 "FINAL DAY"
Copied from the cassette tape(TDK SA90) with hand written "FINAL DAY" on cassette body and cassette sleeve.
1. Introduction
2. Back To The Light
3. Love Token
4. Hammer To Fall
5. Let Me Out
6. Driven By You
7. '39
/Let Your Heart Rules Your Head
8. Too Much Love Will Kill You
9. Since You Been Gone
10. Guitar Solo
11. Resurrection
12. Tie Your Mother Down
13. Conversation
Disc 2 "SINCE YOU BEEN GONE"
Copied from the cassette tape(FUJI DR-1x C60) with pencil mark on cassette sleeve.
1. Introduction
2. Hammer To Fall
3. Coversation
4. Since You Been Gone Melody(played & sung only by Brian May)
5. Driven By You
6. Conversation
7. Tie Your Mother Down
8. Let Me Out
9. Soundcheck
10. Hammer To Fall
11. Conversation
12. Driven By You
13. Conversation
14. Resurrection
15. Conversation
Brian May - Guitar, Vocals Jamie Moses - Guitar Spike Edney - Keyboards
★“コージー・テープ”から生まれたブライアン・メイの極上リハーサル・アルバム『FINAL DAY』。そのボーナスには、もう3本目のカセットから起こされたリハ・アルバム『BACK TO THE LIGHT: TOUR REHEARSALS 1992』が特別に付属致します。
THE BRIAN MAY BAND - BACK TO THE LIGHT: TOUR REHEARSALS 1992(Bonus CDR)
Studio rehearsals for Back To The Light World Tour 1992 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters
本編プレス2CDは、ブライアン・メイとコージー・パウエルがショウを創り上げていく現場に立ち会える貴重なリハーサル・アルバムです。しかし、“BACK TO THE LIGHT TOUR”のリハ録音はその2本だけではなく、もう1本の“コージー・テープ”も発見されています。そこで、現在発掘されている3本をまとめてコレクトしていただけるよう、ボーナス付属決定です。
本作もまた、本編プレス2CDと同じように“BACK TO THE LIGHT TOUR”のリハーサルなのですが、もちろん内容はまったく別。プレス2CDが中期・最終盤のリハだとすれば、本作はもっと初期のリハを約46分に渡って記録しています。2002年の初登場の際にはカットポイントやノイズ等、聴きづらいパートもあったのですが、本作は違う。改めてオリジナル・カセットからデジタル化し直し、さらにノイズもマスタリングで修正。違和感なく演奏音やリハーサル・ルーム内のムードだけに集中して楽しめるサウンドに仕上げた決定盤なのです。
また、名曲「Resurrection」の後のサウンド・チェックも面白い。試し弾きの音がいくつか聞こえた後、コージーがふざけてソロのヒット曲「Dance With The Devil」のイントロを演奏する。英国では日本で考えるよりも有名だそうで、このスタジオ内のメンバー・関係者も笑っている。そして、リハーサルはQUEENの名曲「Tie Your Mother Down」や「Hammer To Fall」へ。コージーのドラミングでド迫力に生まれ変わった名曲が終わると、スタジオ関係者から喝采と拍手が起こる。今の私たちはブライアン&コージーのライヴも体験しているわけですが、当時は関係者どころか、本人たちもどういう仕上がりになっていくか分かっていない。本作には、その素晴らしさを目の当たりにした喜びまで詰まっており、感動的ですらあるのです。