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こってりリフレッシュ済
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■自己紹介
売れても売れなくてもコツコツと再生をするのが好きです。
プロの演奏家として51年、ピアノに携わって48年、演奏活動と並行して楽器の製作・調律・運搬・再生・塗装など/40年ケ国で演奏経験あり///有限会社 ケイプラネッツ 埼玉おともだちピアノ主宰 トトロの家ピアノ工房主宰
★自宅のピアノ工房とピアノ倉庫は何台置いても家賃ゼロ円。そのぶん販売価格に還元しています。
★当方のこってりリフレッシュを見て、同業者からリフリッシュの下請けの打診が幾つかありますが、自分が売るピアノしかリフレッシュしたくないためお断りしています。
★知り合いの調律師仲間が私のリフリッシュしたピアノを見ると、『安い!』 『綺麗すぎる!』『これは仕入価格だよ』と言われます。
★試弾に来られた人にピアノを分解して中身まで見せると、『こーんなに中まで見せてもらったの初めてです。きれい-!』と皆さん仰います。
★古いピアノを再生するのが好きです。
★ネットを含めたピアノの販売数は400台少々(試弾に来られて即決多し)。全てクレームゼロが自慢です
nonakagoku@nifty.com
予備メール
nonakagoku@yahoo.co.jp
★『ピアノ譲ります 譲ってください掲示板』を15年間主宰中だが書き込み少なし(笑)
http://www3.ezbbs.net/15/piano/
創世記のヤマハピアノ 製造番号7209 (現在は6.500.000代以降です)
この年代のピアノはドイツ・ベヒシュタイン(Bechstein)の技術者が来日して手掛け製作したピアノだと言われています。
サイズ 幅 約148cm 奥行 約64cm 高さ 約123.5cm
<経緯> 第一次大戦も(1914年)、関東大震災も(1923年)、第二次大戦も(1941年)、東京大空襲も(1945)経験。北関東の豪農の蔵に保管されていたもの。10年ほど前に仕入れて手入れと整調をしたものを、ドイツの有名ピアニストが来日して弾くため用に購入していただきました。彼女がとても気に入って自宅で弾いていた物ですが、諸事情で当分来日の予定が無いため、販売を依頼されました。
その有名ピアニスト曰く、『このピアノはベヒシュタインのグランドには叶わないけど、Y社のグランドピアノなんかよりはよっぽどいい音がする』とベタ褒めです。
<サイズ・重量>
85鍵盤(昔のピアノは殆どが85鍵盤です)
高さ=約123.5cm
幅=約148cm
100年以上を経過しておりますので、外装の光沢はありません。また塗装の疲労、外見の小傷等はご容赦願います。
■1日目/分解
*本体の分解出来るパーツをすべて分解。
*前回にも気づいたが鍵盤のひとつひとつにバランス用の鉛が2個付いている(通常は無いか、1個。たまに2個)ので、鍵盤の質量が重い。
*本体の裏側を工業用エアーで埃を飛ばし、乾いた雑巾でで雑巾がけ済み。
■2日目
*天板の手前と奥、そして内側を研磨したが、いかんせん100年選手、塗装の疲労や小傷はどうにもなりません。それも100年の味だと解釈します。歴史を味わってください。
*天板の蝶番を研磨⇒100年モノです。ある程度のクスミやサビの残りはご容赦願います。
*85本のチーニングピンを研磨中。
サビが多く取れません。研磨をしますが綺麗にはなりません。次回も少し研摩の予定ですが、取れなくても音色とは無関係なのでご容赦願います。。
■3日目
*85本のチューニングピンを再研磨すれど、綺麗にはならず。やむなし100年以上経過しておりますので。
*棚板より上半分の弦磨き
⇒もともとサビは無いのだが、低音部に経年のクスミあり。
★製造後100年は経過しているのだが、そのかん弦を交換したのかは不明。切れて交換したのかも? と思える場所もあり。
*鍵盤を刺すピンを研磨⇒クスミ残れどサビはなし。
*鍵穴研磨⇒ほぼピカピカ
■4日目
*棚板から下の弦を研磨⇒クスミはあれどサビは端っこに僅か
*本体下の内部の清掃と研磨と油さし
経年の疲労はあれど機能に支障なし。水分は使わずに清掃。
★下の内部から後ろ側が見える隙間が1-2mmほどありますが、製造後100年以上経過すればやむなし。それでも音色が良ければ支障なし。
★この時代でペダルの構造が、ペダルの穴からネズミ侵入防止の加工がなされている。これは極めて貴重な事。というのはY社はこのまま何十年か加工されていたが、そのあとネズミ侵入加工が何十年も廃止された後、また何十年後かにネズミ侵入防止の加工がなされるようになった。ミズミ侵入のお陰で調律師さんもピアノメーカーも儲かったのだろうが(笑)、それでは企業モラルの事もあろう。ふたたび侵入防止になったのは半世紀ほどを経てからである。
■5日目
*棚板、本名隊の両側、本体下部の足等を研磨したが、ツヤは出ない。やむなし100年選手。それと塗装が現在とは異なる(たぶん)カシュー塗装。磨いても磨いても茶色の色素が取れるだけでくすんでいる。これは50-60年以上の古いピアノの塗装の特徴です。
*黒鍵盤研磨と調整
フェルト類は現時点で正常。木部の小さな摩耗や欠損などの補修。
■6日目と7日目
*アクション部分の全てのネジの締め増しと点検
⇒10年前に私がやったので間違いなし。緩みはありませんでした。
*ハンマーを引っ張るテープの劣化したものを数本交換。
*フレンジコード(糸)の切れているのを1本交換
*ダンパーフェルト(音の伸びを止めるフェルト)を1個交換
⇒出来るだけ100年前の音を維持したいので、目に余るもの以外は交換を控えています。
*湿度が原因による、ハンマーの動作が緩慢なセンターピンを数本交換
⇒100年前のは近年のピアノと違って、とても調整が難しいのです。
*本体下部の内部の奥にある穴(製造後から最初っから空いている=外国製ではたまにあります)を木片にて接着して塞ぐ⇒加圧中
*鍵盤抑えの清掃と研磨と、小傷に爪楊枝で同系色を落としと取付。
*若干の虫食いの痕跡が見られるので新品の防虫剤を4個設置。通常は2個。
■8日目
*上下の前板を研磨
⇒研磨しても製造後最大120才ですから、どうにもなりません。逆に新品や70-80歳のピアノではこのような味は出そうにも出せません(笑)。
*上下の前板の窓部分(窓のように凹んだ部分)を止めている、裏側のネジ類の殆どが劣化して浮いているので(共鳴してビビビ音が出る原因になる)、プラスネジに交換。
*譜面台外し。譜面台の蝶番外し。鍵の金具を外し。次回研磨予定。
■9日目
*鍵盤蓋を3分割して個々に研磨。
最大123才には小傷もクスミも多数。やむなし。
それにしても大きくもないこのピアノの鍵盤蓋の重さは一体何なんだ。まるでイースタインかクロイツェネのように重い。相当に密度の高いいい材木を使っているなとの推測。
*蝶番を研磨
外せるものは蓮して研磨。10年前に自分で研磨していたので比較的容易。ネジも1本ずつ研磨。
★以上にて分解のリフレッシュ工程を修了。近日中に整調と調律(狂ってはいないが)を実施予定。
(2023年 12月 18日 17時 14分 追加)
調律実施