何より凄まじいのはこの日の盛り上がりとビリーのテンションの高さ。彼やバンドもスケジュールをこなすにつれて日本での『AN INNOCENT MAN』モードのステージを成功させて自信がついたのでしょう。初日にあったいくつかの過去のレパートリーを落とす代わりに「This Night」や「Leave A Tender Moment Alone」といった当時の新曲を大量に投入。それでいてビリーは随所で日本語を発するなど余裕たっぷりな様子。これほどまでにハイな彼を前に武道館の観客も大喜び。
とにかくハイテンションなビリーは「Don't Ask Me Why」の前に「Why」つながりとも言うべきかビートルズの「Tell Me Why」を歌い始めるとバンドもそれに合わせて短く演奏されたのですが、この模様を聞いて観客が「新曲だ!」と色めき立つ場面が捉えられているのも傑作。1984年ともなればビートルズを知らずにビリーで洋楽に染まる音楽ファンも多かった訳で、それを象徴するような愉快な場面でした。
そして84年の"From a Piano Man to an Innocent Man Tour"といえば約一週間後に行われたロンドン・ウェンブリー公演の映像が定番として知られており、実際『WEMBLEY 1984 UPGRADE』もベストセラー中な訳ですが、盛り上がりや演奏内容の凄まじさに関してはそれをも凌ぐのでは?と思えるほど。
正に人気の絶頂にあり、洋楽という枠を超えて日本で大きな人気を獲得していたビリーのハイテンションな一日を捉えた傑作オーディエンスが新たなリマスターによって待望の再リリース。ライブ終盤などは「Tell Her About It」にて当時の人気歌手の飛び入りまで実現し、もはや武道館が爆発しそうなほどの盛り上がりに。1984年ならではな「昭和のビリー」の熱狂を武道館初日と合わせて心ゆくまでお楽しみください。
★最初の50枚のみ、ナンバリング入りステッカー付でのリリースとなります。
Disc 1 (41:08)
1. Opening (The Mexican Connection)
2. Prelude / Angry Young Man
3. My Life
4. The Stranger
5. Don't Ask Me Why
6. Allentown
7. This Night
8. Pressure
9. Just The Way You Are
Disc 2 (71:39)
1. Band Introductions
2. Scenes From An Italian Restaurant
3. An Innocent Man
4. The Lion Sleeps Tonight
5. The Longest Time
6. Leave A Tender Moment Alone
7. Sometimes A Fantasy
8. It's Still Rock And Roll To Me
9. Uptown Girl
10. Big Shot
11. Tell Her About It ★当時の人気歌手が飛び入り
12. You May Be Right
13. Only The Good Die Young
Billy Joel - Vocals, Piano David Brown - Guitar, Backing Vocals