これが1977年/1978年のEL&P。ツアーは北米のみで、3つのセクションで構成されていました。公式『WORKS LIVE』の「北米#1」、『LIVE AT NASSAU COLISEUM '78』の「北米#3」に対し、今回の2連作は合間の「北米#2」の記録。ここで、さらに日程をフォーカスしてみましょう。
●「北米#2」の詳細
・10月15日ー31日(14公演)
《11月1日『作品第2番』発売》
・11月1日ー16日(12公演)
・11月18日『WHEELING 1977 SOUNDBOARD』
・11月20日:メンフィス公演 ←★本作★
・11月21日ー27日(6公演)
・11月30日:ニューヘイヴン公演 ←公式ブート
……と、このようになっています。最終日のニューヘイヴン公演はオフィシャル・ブート『THE MANTICORE VAULTS VOL.2』にも収録されていますが、今回の2連作『WHEELING 1977 SOUNDBOARD』と本作は、それよりも10日ほど前。マスターが姉妹作なだけでなく、ショウ自体も2連続公演でした。本稿に目を留められた方ならご存知とは思いますが、この2公演(ホイーリング/メンフィス)は完全版サウンドボードが発掘され、当店でも『DEFINITIVE WORKS LIVE 1977』が定番中の大定番として君臨。今回の2連作は、その2公演サウンドボードのアップグレード・マスターであり、それを「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで仕上げた最高峰更新盤なのです。
【質/量ともにオフィシャル超えした完全ライヴアルバム】
そして、アップグレードのタイプも同じ。『DEFINITIVE WORKS LIVE 1977』は完全オフィシャル級として絶賛を集めたわけですが、波形分析してみると鳴りに歪みがあり、高周波(15kHz以上)で極端に帯域落ち。当時としては革命的な発掘だったのですが、流通のどこかでデジタル圧縮されたと思しき痕跡があったのです。それに対して、今回の新マスターはそうした劣化が見当たらない。シンセの唸りやシンバル類の伸びもキレイに伸び、大元そのままであろうマスター・クオリティが瑞々しい。姉妹作『WHEELING 1977 SOUNDBOARD』と同じく「真オフィシャル級」と表現するしかない頂点更新サウンドなのです。
そんな超絶サウンドボードで描かれるのは、「北米#2」ならではのフルショウ。セットは『WHEELING 1977 SOUNDBOARD』と同一ではありますが、「北米#3」の『LIVE AT NASSAU COLISEUM '78』とは異なる。良い機会でもありますので、ここで後者と比較しながらセットを整理しておきましょう。
●ワークス時代(11曲)
・ELP四部作:Piano Concerto No 1/C'est La Vie/Tank/The Enemy God Dances With The Black Spirits/Pirates/Fanfare For The Common Man
・作品第2番:Maple Leaf Rag/Tiger In The Spotlight/Watching Over You/Show Me The Way To Go Home(★)
・その他:Peter Gunn(★)
●その他(8曲)
・Take A Pebble/Lucky Man/Tarkus/Pictures At An Exhibition/Nut Rocker/Hoedown/Karn Evil 9(★)/Rondo(★)
★「1977年11月20日メンフィス公演」の超極上ステレオ・サウンドボード録音。『WHEELING 1977 SOUNDBOARD(Virtuoso 508/509)』の姉妹作で、本作もデジタル圧縮痕の見当たらないアップグレードの完全版マスター。「Peter Gunn」「Show Me The Way To Go Home」「Karn Evil 9」「Rondo」など、『NASSAU COLISEUM '78』では聴けない名曲もたっぷり楽しめる姉妹2連作の妹篇です。