ノルウェイ出身で90年代中盤の結成という70年代初期型ハードロックとジェスロタルを折衷したようなスタイルのヘヴィプログレバンド、ルシファーワズの2004年発となる通算3作目。リリースは北欧サイケ系専門のインディーズ、Transubstansからで、現在ではわりと入手困難となっているようでDiscogsではプレミアム価格流通。97年のデヴュー作ではキーフを彷彿とさせるジャケットに70年代初期型ハードロックとプログレの煮え切らないまんまの音楽性など、まるで本物としか思えないヴァーティゴ系ブリティッシュロックサウンドがマニア筋を直撃し、あれから7年後の本作ではどうか?と言っても基本的な音楽性には全く変化無し。とはいえアレンジ面ではけっこう新機軸も打ち出していて、リズムプローチはスッキリとまとまり、キーボードの音色もあえて洗練感のある90年代的な音色で意表を突いたり、部分的にはそこはかとなくメロトロンを上手く使っていてこれまた渋すぎるほどのB級ブリティッシュロックの手口を繰り出したりと、新旧織り交ぜた感じが絶妙。で、内容はといえば冒頭のイントロダクションでは弦楽四重奏が加わったクラシカルな導入部で何コレ?と思う間もなく急転直下に重く垂れこめるB級ブリティッシュブルースロックがスタートするという仕掛け。続いてまるで初期ジェスロタルの生き写しのような曲調とフルートが舞うヘヴィプログレナンバーでこのバンド本来の真骨頂を浴びせるという展開でアルバム全体を総括。因みに7曲目ではウォルラスやトライフルみたいなブリティッシュブラスロックナンバーが出てきて、何もそこまでやらなくてもってな感じで唖然。LUCIFER WAS-blues from hellah(transubstans)