その後ライトは、風洞とローリングロード(ムービングベルト)を使ってF1マシンのボディシェイプで実験を始めた。ライトはモデルカーのボディ脇にボール紙片を取り付けたが、実験中に翼端板がずり落ちてローリングロードとの隙間を塞いだ際、ダウンフォース発生量が急増することを発見した。より詳細な検証で、ローリングロードの速度が増加するにつれ、ボディ底面が路面表面近くへ吸引されていることが確認された。結果はチャップマンに報告され、チームはシャーシ設計を行うための無制限な自由を与えられた。デザインスケッチと機械製図の1ラウンドとインペリアル・カレッジの風洞での更なる作業の後、マシンは生産に入った。5台が製造され、1976年7月、コードネーム"John Player Special Mk.III"、別名「ロータス 78」が誕生した。
車両下面の低圧域を保つため、当初はブラシが各々のサイドポッド下部に取り付けられた。これが不十分なことが判明すると、ロータスはプラスチックのスカートを試みたが、路面と接触して非常に早く磨り減った。最終的には大きな効果が確認された可動式のゴムスカートが開発された。スライドするスカートは車両側面と地面との間のギャップに封をして、下面の低圧域に吸引されグラウンドエフェクトを打ち消す空気の流れを遮断した。こうして低圧域をサイドウォールとスカートで密封し、ベンチュリー効果によって強力なダウンフォースを発生させるしくみが完成した[3]。アンドレッティは78をドライブすることを、あたかも「路面に塗られる」(painted to the road)かのようだと表現した。
コンセプト
開発
戦歴