録音環境の整備には、現在考え得る最大の配慮がなされたことも本録音の特徴で、コンシュマー部門で定評のあるアコースティック・リヴァイブの各種アクセサリーが多数活躍する。マイク及びライン・ケーブルには、独自の高品位・シングルコアー・ケーブル(単芯タイプ)が採用されている。マイク・ケープルはマイクからマイク・アンプまでわずか5～10m程度であるが、ライン・ケーブルはステージから録音室まで約40mに達し、SACD-マルチ・チャンネル録音を含め、最大で6系統が必要になる。関係者は録音日の前夜、夜を徹した作業で必要なケーブルを製作、世界でも類を見ない全チャンネル・シングルコアー・ケーブルでの録音が実現した。もちろん、録音室の各機器を結ぶアナログ及びデジタル・ケーブルの主要ルート及び電源ケープルも全て単芯タイプのケーブルが採用されている。各関連機器のセッティングには、マグネットフローティング・ボートのRMF-40、脚部にはブラック・クォーツのインシュレーターRIQ-5010、電源ボックスにRTP-6 evolution、周辺の環境改善機器として超低周波発振器RR-77、マイナスイオン発生器RI0-5、シルクアブソーバーPSA-100などが使われている。モニター・スピーカ一・システムのスタンドには業務用のRSS-1051、そのセッティング・ベースにはアンダーボードYST-64が併用されている。