そんな映像美で描かれるのは、THIN LIZZY栄光の名曲群。この日はLITTLE FEATのサポートだったらしく約45分とショート・セットではありますが、そこに『ONE NIGHT ONLY』を更に圧縮したような濃厚ベストが詰め込まれる。当時のリズム隊は元PAGE・PLANTの故マイケル・リー(ドラム)と、ANGELのツアーにも参加していたランディ・グレッグ(ベース)で、ブライアン・ダウニーの不在はやや残念はありますが、贅沢を言ってもキリがない。サイクス&スコット・ゴーハムのツインが舞い踊り、フィル・ライノットへの敬愛に満ちたサイクスの歌声で綴られる名曲群。それを超絶クオリティで体験できるだけで超お宝なのです。
サイクスが歌うTHIN LIZZYと言えば、公式『ONE NIGHT ONLY』の他にも当店の『HEALING PRAYERS』や『TOKYO 1994 2ND NIGHT』など、超極上のライヴアルバムはいくつかあります。しかし、映像は……。そんな乾きを癒してくれる超絶なる「オフィシャル代わりのオーディエンス・ショット」。ぜひ、じっくりとお楽しみください!
★beatleg誌 vol.68(2006年3月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
2004年2月に行われたDEEP PURPLEのアメリカ・ツアーのオープンニング・アクトを務めたTHIN LIZZYの2月21日-テキサスでのステージを収録したDVD-Rで、ショップが顧客へのギフトとして配布したもので販売用では無いが、画像は3台のカメラで撮影されており、最高の画質・音質で楽しむことが出来る。ジョン・サイクスとスコット・ゴーハムを中心にしたバンドは、全盛期の70年代と同じように「Jailbreak」でオープニングを飾っている。ファンとしてはTHIN LIZZYの血を絶やさないで欲しいので、こうしてステージに立ってライヴを行ってくれるのは嬉しい。セット・リストはサイクス時代の曲は「Cold Sweat」のみで、あとは全て70年代の名曲というのも潔いと言うか、ファンとしては素直に楽しむことが出来るだろう。「Emerald」ではジョンとスコットのツイン・リードによるソロが素晴らしい。「Bad Ruputation」ではジョンがフィルを意識したヴォーカルを聴かせてくれるが、ここにフィルがいればと思わずにはいられない。ステージ終盤は「Still In Love With You」をじっくりと聴かせてくれた後、「The Cowboy Song」「Boys Are Back In Town」の黄金のメドレーで締め括るが、、「The Cowboy Song」のイントロをスコットが弾き始めると、まるであの頃にタイム・スリップしたかのような気分で画面に見入ってしまう。ステージにフィルはいないが、「Boys Are Back In Town」のイントロが炸裂した瞬間、間違いなくフィルの魂がステージに立っていたに違いない。フィル・ライノットの残してくれた偉大さと、フィルを失ったことの大きさを確認出来る貴重な映像。