2012年3月に竣工したDD-115あきづきは、むらさめ、たかなみ型以来7年ぶりに就役する汎用護衛艦「あきづき」型の1番艦である。往年の防空駆逐艦「秋月」の名が継承された本型の使命は、「こんごう」型などのイージス艦が弾道ミサイル防衛に専念している時、手薄になりがちな敵航空機や対艦ミサイルへの防衛を補完するべく、それらの艦に代わって僚艦防空(Local Area Defense)の役割を引き受けることである。このため、本型は高い防空能力が求められ、ひゅうが型に搭載されていたものを更に改良したFCS-3A多機能レーダーやOYQ-11新戦術情報処理装置などを装備している。スタイルは上部構造物が拡大され、マストもあたご型と同様の塔型のものが採用されたため、むらさめ、たかなみ型よりも更にステルス性が向上している。そして艦尾からは海上自衛隊では初の装備となる、スタン・フラップと呼ばれるヒレ状のフラップが突き出しており、速度や安定性及び燃費の向上、騒音の低減などの効果がある。ちなみに「あきづき」型の誇る数々の新機軸は、実験艦「あすか」でのテストで培われたものを一堂に集めたもので、本型は将来の護衛艦のモデル・シップとなることが期待されている。2013年3月現在、「あきづき」は佐世保を定係港とし、護衛艦隊第1護衛隊群第5護衛隊に配備されている。