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ジュビリー・セレブレーション
・《ヨーロッパ・コンサート2001 イスタンブール》
・ハイドン:交響曲第94番ト長調 Hob.I-94『驚愕』
・モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314 (285d)
・ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14a
マリス・ヤンソンス(指揮)
2001年5月1日、イスタンブール、聖イレーネ聖堂におけるライヴ収録
特典映像
・イスタンブールのポートレート
・バック・ステージ
イスタンブールで最も古い聖堂であるこの聖イレーネ聖堂(現在は博物館)は、コンスタンティヌス帝の命により、紀元4世紀、ビザンテイン時代に建築された歴史ある建物です。現在はコンサートなどの使用目的にも応えるように改築されて博物館として機能していますが、その美しい内観や、雰囲気のある外観はまさに特別なコンサートにピッタリといったところ。
実際、石造りの建物ならではの豊かな響きは、それでなくてもマッシヴなベルリン・フィルの響きをいっそうパワフルなものに仕立てており、『幻想交響曲』では、凄みのあるバスドラやコントラバス、ティンパニの織りなす低音が圧倒的です。
大聖堂ならではの広大な空間を生かした驚きのカメラワーク(演奏者たちの表情の撮り方も絶妙!)や、非常に凝った録音がテレビ放送時とは比べ物にならない高音質で楽しめるなど、デジタルAVの利点を十二分に享受できるソフトでもあります。
演奏の方も空間的・表現的工夫が満載です。指揮者前のステージ下に陣取った2台のハープ、第3楽章冒頭、客席はるか上部のバルコニーからエコーを奏でるオーボエのほか、同楽章コーダでのティンパニによる遠雷効果、第5楽章でのベルリン・フィル特製の巨大な鐘や、同じく「怒りの日」での金管部隊のパースペクティヴ効果などなど、父親のアルヴィド・ヤンソンス指揮レニングラード・フィルの名演(廃盤)を髣髴とさせる多彩なサウンド・デザインの面白さは特筆されるべきでしょう(このあたり、エーリッヒ・クライバーの様々な工夫を演奏に反映させたカルロス・クライバーのケースを想起させるものがあります)。
ダイナミックでありながら要所を引き締めたヤンソンスの指揮ぶりも好調そのもので、大迫力の『幻想交響曲』はもちろん、ハイドンやモーツァルトでも、作品にふさわしい音楽づくりをおこなっています。
収録時間:129分(本編102分、特典映像27分)
画面:16:9、カラー
本編音声:リニアPCMステレオ、ドルビーデジタル5.1、DTS 5.1
特典映像字幕:英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語
DISC2:
・バッハ:管弦楽組曲第3番~ガヴォット
・モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.334
・モーツァルト:メヌエット
・モーツァルト:ロンド ニ長調 K.382
・ヴェルディ:『アイーダ』~小さなムーア人の奴隷たちの踊り
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲ト短調 op.46-8
・チャイコフスキー:『くるみ割り人形』~花のワルツ
・シベリウス:悲しいワルツ op.44
・J.シュトラウスⅡ世:皇帝円舞曲 op.437
・コダーイ:ガランタ舞曲
・サルガン/カルリ編:ア・フエゴ・レント
・アブレウ&オリヴィエロ/コルノ編:ティコ・ティコ
・J.シュトラウスⅡ世:ポルカ『雷鳴と電光』 op.324
・カルリ:イル・フェルレーテ
・ブラームス:ハンガリー舞曲第1番ト短調
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ダニエル・バレンボイム(指揮、ピアノ)
2001年12月31日、ベルリン、フィルハーモニーにおけるライヴ収録
収録時間:97分
画面:16:9、カラー
本編音声:リニアPCMステレオ、ドルビーデジタル5.1、DTS 5.1
DISC3:
・ベートーヴェン:『エグモント』序曲 op.84
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
・ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』op.95
・ヴェルディ:『シチリアの晩鐘』序曲
ギル・シャハム(ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
2002年5月1日、パレルモ、マッシモ劇場におけるライヴ収録
特典映像
・リハーサル風景(スライド・ショー)
・パレルモのポートレート
収録時間:132分(本編112分、特典映像20分)
画面:16:9、カラー
本編音声:リニアPCMステレオ、ドルビーデジタル5.1、DTS 5.1
特典映像字幕:英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語
DISC4:
・ガーシュウィン:パリのアメリカ人(管弦楽)
・ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(共演)
・ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ調(共演)
・ロバーツ:コール・アフター・ミッドナイト(ピアノ・トリオ)
・ガーシュウィン:ストライク・アップ・ザ・バンド(管弦楽)
・ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム(ピアノ・トリオ)
・リンケ:ベルリンの風(管弦楽)
マーカス・ロバーツ・トリオ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
2003年、ベルリン、ヴァルトビューネにおけるライヴ収録
特典映像
・小澤征爾とマーカス・ロバーツの対話
収録時間:129分(本編110分、特典映像19分)
画面:16:9、カラー
本編音声:リニアPCMステレオ、ドルビーデジタル5.1、DTS 5.1
特典映像字幕:英語、ドイツ語、フランス語
DISC5:
ブラームス:
・ピアノ協奏曲第1番ニ短調 op.15
・弦楽四重奏曲第1番ト短調 op.25(シェーンベルク編曲)
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サイモン・ラトル(指揮)
2004年5月1日、アテネ、ヘロデス・アッティコス奏楽堂におけるライヴ収録
特典映像
・The Europian Concert in Olympic Arhens
1曲目はピアノ協奏曲第1番。ラトル&ベルリン・フィルは、この公演に先立つ2003年12月にツィマーマンの独奏で同曲をセッション録音、鮮烈な演奏が大反響を呼びましたが、ここではまったく資質の異なるピアニストの濃厚な歌い口に対して、完全に対応する柔軟さをみせています。
もちろん、かたやスタジオでのセッション、かたや野外劇場での実況とシチュエーションは大幅に異なり、会場の制約もあってか、ここでは第一、第二ヴァイオリンを左手に並べた通常配置を採っていますが(ツィマーマン盤では第二ヴァイオリンを右手に配した両翼型配置)、強大なパワーとデリケートな細部表現とが共存した見事な演奏は変わりません、低弦の圧倒的な威力、とどろき渡るティンパニの力強さ、第3楽章における胸のすくような機動力の目覚しさ、木管群を中心として味わい深い独奏もあれば、要所要所であふれるような旋律表現の鮮やかさも聴かせてくれるという、ほとんどパーフェクトといいたいその演奏は、ライヴであることを考えれば音質の良さも含めて驚異的です。
一方のバレンボイムは味わい濃いロマンティシズムで勝負。第1楽章のピアノの入り方にしても、細かくテンポをゆらしながら霧の中から徐々にあらわれてくるかのようなイメージを喚起させるあたりはさすがです。かつてのバルビローリ、メータとの録音、チェリビダッケとの映像作品でも一貫してロマンティックなアプローチを採ってきたバレンボイムですが、濃厚かつ重厚なピアニズムは堅持されている模様。往年の巨匠ピアニストを思わせる語り口の豊かさが印象的です。
後半のプログラムは、シェーンベルクが管弦楽用に編曲したピアノ四重奏曲第1番。これは昔からのラトルが得意とするレパートリーだけに、今回の演奏も素晴らしい仕上がりです。かつてのバーミンガム市響との録音を大きく上回る劇的な表現は、この作品の紹介に情熱を燃やしてきたラトルならではの見事なものです。
収録時間:127分
画面:カラー、16:9
本編音声:リニアPCMステレオ、ドルビーデジタル5.1、DTS 5.1
特典映像字幕:英語、ドイツ語、フランス語
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