本作は、そんな2連作リリースの第一弾。「1982年4月26日ナイメーヘン公演」のステレオ・サウンドボード録音です。当時のステージは公式映像『TRANS GLOBAL UNITY EXPRESS』にも残されていますが、本作は別公演。その辺の状況を理解するためにも、まずは当時の活動概要をスケジュールで振り返っておきましょう。
・2月24日+27日:ロンドン(2公演)
《3月12日『THE GIFT』発売》
・3月12日ー4月8日:英国#1(25公演)←※公式映像
・4月16日ー30日:欧州(11公演) ←★ココ★
・5月14日ー6月5日:北米(15公演)←※BOSTON 1982
・6月11日ー17日:日本(5公演)
《9月6日シングル『The Bitterest Pill』発売》
・9月20日ー10月12日:英国#2(14公演)
《10月30日:解散表明》
・11月5日ー12月11日:英国#3(15公演)
《12月:THE JAM解散》
これが1982年のTHE JAM。母国イギリスを重点的に巡りつつ、春から初夏にかけて「欧州→北米→日本」にも足を伸ばす構成でした。『TRANS GLOBAL UNITY EXPRESS』や『DIG THE NEW BREED』といった公式作品はツアー冒頭の「英国#1」で製作されましたが、本作のナイメーヘン公演はその後の「欧州」レッグの8公演目でした。また『THE GIFT』の30周年ボックスで公式化されたデンマークTV特番プロショット(当店のギフト・タイトル『DANISH TV 1982』でお楽しみ頂けます)も「欧州」レッグですが、本作はそのちょうど1週間後でもありました。
そんなムキ出しサウンドボードで描かれるのは、貴重なシングル曲も盛りだくさんなライヴ。当時の象徴と言えば公式映像『TRANS GLOBAL UNITY EXPRESS』があるわけですが、あれは約30分。本作は、そこでは聞けないレパートリーもたっぷり収録されています。ここで、その内容も整理しておきましょう。
●ザ・ギフト(5曲)
・Ghosts/Town Called Malice/Precious(*)/"Trans-Global Express"(*)/The Gift
●シングル(5曲+α)
・Tales From the Riverbank(★)/Move On Up/Pity Poor Alfie-Fever(★*)/Funeral Pyre(★*)/When You're Young(★)
●その他(5曲)
・サウンド・アフェクツ:Pretty Green/That's Entertainment(★)/Boy About Town(★*)
・その他:In The Crowd(★)/Private Hell
※注:「★」印は公式映像『TRANS GLOBAL UNITY EXPRESS』で、「*」印は同時リリースの『BOSTON 1982 SOUNDBOARD』で聴けない曲。
……と、このようになっています。最終作『THE GIFT』と『SOUND AFFECTS』を2本軸としつつ、そこに多彩なシングル曲を盛り込んだバランス。「Funeral Pyre」「When You're Young」といったA面曲だけでなく、B面曲「Tales From the Riverbank」「Move On Up」「Pity Poor Alfie/Fever」も盛り込み、貴重でカラフルなステージになっているのです。
★「1982年4月26日ナイメーヘン公演」のステレオ・サウンドボード録音。海外研究家から提供された最高峰更新マスターで、ダビング痕まみれの従来マスターとは次元が違う美しさ。いかにも放送らしい生っぽさは「オフィシャル級」と呼ぶタイプともちょっと違うものの、1音1音がむき出しのまま脳髄へ刻まれるようなシンクロ感は絶大。「Funeral Pyre」「Boy About Town」「Tales From the Riverbank」「When You're Young」など、公式作『DIG THE NEW BREED』『TRANS GLOBAL UNITY EXPRESS』で聴けないレパートリーも楽しめます。