そんなクリスタル・サウンドで描かれるのは、記念碑的なQUEEN+アダム初の札幌公演。QUEEN+ポール・ロジャーズ時代にも実現せず、実に本家の“HOT SPACE Tour”以来42年ぶりという快挙でした。最終の東京ドーム制覇と並び、現在こそが人気の絶頂という象徴公演なのです。セット自体は大阪・東京と同じですが、良い機会でもありますので「札幌のQUEEN」に焦点を当てて整理してみましょう。
●70年代(11曲)
・オペラ座の夜:I'm in Love With My Car/Love of My Life/Bohemian Rhapsody
・華麗なるレース:Teo Torriatte (Let Us Cling Together)/Tie Your Mother Down/Somebody to Love
・ジャズ:Fat Bottomed Girls/Bicycle Race/Don't Stop Me Now
・その他:We Will Rock You/We Are the Champions
●80年代以降(12曲)
・ザ・ゲーム:Another One Bites the Dust/Crazy Little Thing Called Love
・ザ・ワークス:Radio Ga Ga(★:オープニング&リプライズ)/Hammer to Fall(★)/Is This The World We Created...?(★)
・カインド・オブ・マジック:Who Wants to Live Forever(★)/A Kind Of Magic(★)
・その他:I Was Born To Love You(★)/I Want It All(★)/Under Pressure/The Show Must Go On(★)
※注:「★」印は、札幌初披露となった曲。
……と、このようになっています。前述のように、札幌から見たQUEENは“HOT SPACE Tour”以来。調べてみるとこれまで3回の札幌公演(1979年×2回+1982年×1回)で初期レパートリーはほとんど演奏されており、『THE WORKS』以降のナンバーだけが初披露だったわけです。
42年ぶりに実現した札幌公演。その歴史的な夜を凛として透き通るサウンドでフル体験できるライヴアルバムです。クリアさにかけては最高傑作『TOKYO DOME 2024 2ND NIGHT: DEFINITIVE MASTER』に次ぐ2大巨頭であり、コレクションにも不可避な新名盤。どうぞ、存分にお楽しみください。
★「2024年2月10日:札幌ドーム」公演の絶品オーディエンス録音。透き通る空気感に胸がすくクリア録音で、細部の微細部までくっきりハッキリ。そのド真ん中を真っ直ぐ貫く芯もシャープで、ディテールがレーザー光線のように鮮やかに届く。ヴォーカル・ハーモニーやギター・オーケストレーションが幾重にも折り重なろうと濁りを起こさず、輪郭がキリッと美しい。“HOT SPACE Tour”以来となる札幌公演をフル体験できる新名盤です。