Live at Osaka Dome, Osaka, Japan 11th January 2003 TRULY PERFECT SOUND(from Origial Masters)
彼らの来日史上、最大級となった“BOUNCE JAPAN TOUR 2003”。その極上ライヴアルバムが登場です。
この年の来日公演はとにかく巨大でした。回数だけなら1993年の“KEEP THE FAITH TOUR”の11公演が歴代最多ですが、この2003年はなんといってもドーム・ツアー。北は札幌から南は福岡まで、5大ドーム(+1)を8公演で完全制覇。これはBON JOVIに限らず、日本の外タレ公演史上初となる一大巨大プロジェクトだったのです。ここで、その巨大ぶりを日程から見てみましょう。
・1月8日:札幌ドーム
・1月11日:大阪ドーム 【本作】
・1月12日:大阪ドーム
・1月14日:福岡ドーム
・1月16日:東京ドーム
・1月17日:東京ドーム
・1月19日:横浜アリーナ ※ボーナス3CDR
・1月21日:ナゴヤドーム
以上、全8公演。このうち、本作に収められているのは「2003年1月11日:大阪ドーム公演」です。そんな本作は、ドーム公演には似つかわしくない素晴らしいオーディエンス録音。ドームというとボケボケ・ボワボワなイメージが付きものですが、本作にそんな心配は無用! それどころか、通常のコンサート会場でもそうはない図太い楽音が真っ直ぐに飛び込んでくる強力録音なのです。それもそのはず。本作をモノにしたのは、90年代から2000年代初期の大阪で辣腕を振るった伝説の名録音家。当店では、この名手コレクションを数多くCD化しており、RAINBOWやAC/DC、SYKES、イングヴェイ・マルムスティーン、THE BLACK CROWES等々の大阪の名作・傑作が目白押し。特に、BON JOVIファンの方ならリッチー・サンボラの『UNDISCOVERED SOUL IN OSAKA(Zodiac 199)』。かの名作と同じ録音家の銘品をオリジナルDATから忠実にCD化した1本なのです。
まったくもって“ドーム離れ”した美録音なのですが、本作にはれっきとした“ドームらしさ”も刻まれています。それは、巨大なスペクタクル。間近の客から遠く遠くの観客までの立体感・遠近感が凄まじい。特に、名曲群のサビは圧巻。BON JOVIのコンサートと言えば、会場中を巻き込んでの大合唱がお約束ですが、その歌声の広さがハンパではなく、会場内に時差ができるほど。間近客の唱和がジョン・ボンジョヴィの歌声をコーティングし、遠方客の声は“こだま”のように追いかけてくる。5万人に及ぶ、超巨大コーラス隊のスペクタクルが津波となって押し寄せる「I'll Be There For You」の“Oh, Oh, Oh♪”の大唱和。そして、それを切り裂くリッチー・サンボラの鋭いギターサウンド……魂が震えるような感動です。それだけの迫力がありながら、ジョンの歌声だけがキリッとして囁き声まで克明。さすが、さすが名手の業物です。
これが“BOUNCE WORLD TOUR 2003”の全容。日本公演はツアーの序盤に設定されつつ、キックオフでもない。疲れがないだけでなく、バンドのエンジンが掛かり始め、“いよいよ、世界へ!”の気概に溢れた熱演。この後、横浜アリーナでは大失態となってしまいます(本作付属のボーナス3CDRでお楽しみ頂けます)が、本作では不調の影もない。そこに外タレ史上初となる“5大ドーム制覇”の偉業への気概まで上乗せ。「Wild In The Streets」ではジョンが歌詞をド忘れするハプニングがあったりする(この時の観客のどよめきが凄い)ものの、それさえもありあまった勢いに感じられてしまう。日本語で「スミマセン」と謝るジョンもお茶目で、イケイケムードたっぷりのショウなのです。