英国はボーンマス出身、1990年頃に結成されたというシンフォニックロックバンド、ビッグビッグトレインの2007年発となる通算7作目。オリジナルリリースはイングリッシュエレクトリックレコーディングスからで、こちらはそれの再発CD盤として新規リマスターのうえ、綴じ込みブックレット付の豪華なデジパック装丁でリリースだれていたもの。編成はベース、ドラムス、ヴィオラ、ヴォーカル、フルート、サックス、ギター、メロトロン、オルガン、ピアノを擁する6人編成。わりとメロディック系のイメージが強いこのバンドの方向性にしては、特に本作に於いてはエレクトリックベースがクリススクワイア的センスで絶妙な効果を発揮していて、他のインストゥルメント類との対比で立体的な音像を浮き上がらせる見事なアンサンブル。結果としては中期キャラヴァンのカンタベリー的メロウネスとイエスのスペクタクルシンフォニックロック感をポストロック的な醒めた情感でマイルドに仕立てたような楽曲センスに加えて、揺らめくメロトロンの多用にサックスソロを被せたりする冒険的な試みや、まるでジョフリーリチャードソンみたいなヴィオラが黄昏ていたりという、80年代のポンプロックからは隔世の感がある21世紀型英国シンフォニックロック最前線。BIG BIG TAIN-the difference machine(english electric recordings)