国語論考 語構成的意味論と発想論的解釈文法 若井勲夫 和泉書院
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人間関係と言葉の相関を考察。神道の語を分析し、日本人の精神を解明していく。新見地により古典作品の解釈を行い、時務論的に国語問題を論述する。
第一章では、マルティン・ブーバーの我汝哲学に基づいて我と汝としての人間関係が両者の間にある言葉とどのように相関、成立し、機能しあうかを考察した。さらにその言語表現の根底を支え、在らしめる永遠の汝の存在を明らかにし、そこに真実の言葉が生きることを論ずる。
第二章では、主として神道関係の語の意味を言語主体の表現意識に立返り、その表現しようとする過程を究めて、語の成り立ちを探る。語構成意識の分析を通して、意味世界の広がりを究め、日本人の思考と精神のあり方を明らかにする。
第三章では、動詞の自動詞と他動詞の別を発展させ、言語主体が対象を「こなた」「かなた」として捉える発想・観点によって、表現しようとする意味がどのように変るかを多くの用例を分析して明らかにし、さらに芭蕉の発句と俳文をこの発想によって解釈し直し、その表現意図を究明する。
附篇では、国語のあり方、縦書きであることの意義等を論述し、国語の将来やその対策、文化の根幹を考える。
我と汝としての言葉
かみ／まつる／たま／かぐら／けがれ／みそぎ／はる・なつ・あき・ふゆ／たて・よこ／やさし
動詞の自他／「こなた」か「かなた」か／「こなた」「かなた」の発想／「こなた」から「かなた」へ／「かなた」から「こなた」へ／「こなた」「かなた」の総合的表現／芭蕉の発句と俳文の解釈
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