オルガン奏者、レオン・パティロ率いるサンフランシスコの黒白男女混合7人組バンド、レオンズ・クリエイション。本作はこのバンド唯一のアルバムだが、メンバー構成やジャケット及び裏ジャケの雰囲気から察しがつくように、スライ&ザ・ファミリー・ストーンにかなり大きく影響を受けている。スライの最初の3枚『A Whole New Thing』『Dance To The Music』『Life』で聴ける、ファンキーでソウルフルではあるけれど、サイケデリックでロックなミクスチャー・サウンドを自分たちなりに継承。まだ完成されたファンク・サウンドではないが、異質なモノがぶつかりあうゴツゴツした手触りや熱を感じられるアルバム。
アルバム1曲目の「This Is The Beginning」から、まるでスライなファンキー・ロック・サウンド。レオンのスライ風の鼻にかかったヴォーカルに、コーラスもファミリー・ストーン的。強力なドラム・ブレイクから入る、ややダークでサイケな「Until You Were Gone」、スライのデビュー・シングル「Underdog」と同じフランス童謡のフレーズから始まる「Mirage」、「Back Roads」はサイケデリックな昂揚感で駆け抜ける。スライのポップ・センスを引き継いだような「Confusion」、分厚いバンド・サウンドで緊張感漲る「If I Had The Power」、ハッピーでフラワーなムードの「Love」、ラストの「Sightless」はホーン・セクションとリズム隊、コーラスが盛り立てるファンキー・チューン。