Sigma 177盤を注意深くお聴きになると判るのですが、そこではPA直撃で拾った音群移動装置の効果が所々で確認出来ます。分かり易いのは「Money」中盤でギターのディレイ効果が大きくなったり小さくなったり(= 近付いたり遠ざかったり)する様子ですが、これがスピーカーの真正面から直接音を拾っている割には音の抜けと拡がりがいまひとつなのです。また音符と音符の間に隙間が多い曲(※ 例えば「Shine On You Crazy Diamond」)や、中音域を多用する「Have A Cigar」でも響きの振幅の浅さや音像全体の閉塞感が時折り顔を覗かせていたため(※ 勿論それでも充分過ぎるほど非凡な音像なのですが)、このミドル・レンジを中心に125Hz~250Hzの音域を拡げ、高音のエアー感とニュアンスなど10Hz付近の音に明瞭感を与える調整をする事で原音の魅力をシフトアップ出来ると考えました。 また殆ど一小節ごとにノイズ・チェックする事で透明性を更に上げ、音の粒が持っているスピードとエッジの高まりも実現。結果、鋭い瞬発力を持った精度の高い音色の振幅が、潤いたなびかせて全方向へ伸び切ってゆくサウンドが実現したのです。更に相乗効果としてステレオ感もグッと増し、Sigma 177盤では隠れていたサウンド・エネルギーが聴き手のイマジネーションに深く突き刺さる究極の77年ボストンが誕生したのです!!
そんなブラッシュアップ感満点のサウンドで甦る「Sheep」ではいきなり大きなトピックが登場します。前述した改善点(2)で示した通り、あの9:07付近のテープ劣化痕が完全に無くなっているのです。その成果は「ここがその部分だ」と知って聴いてもまず判らない完璧な仕上がりとなっており、これによってこの日特有のあのスピード感・ドライヴ感が一片も損なわれないまま終曲まで駆け抜けてゆく興奮を実現させています。 「Dogs」でも導入部のギターが更に芯のある音色で息を吹き返し、ギルモアの間近な歌声にはレンジの拡がりに加えて奥行きまで感じられるリマスターの極みを体感出来るでしょう。タムやスネアのアタック感もますます際立ち、13:27から展開する後半ギター・ソロでの音色の量感と解像度、そしてアンサンブルに戻って終曲してゆく終盤の展開などは衝撃のリマスター・インパクトとなっています。 「Pigs On The Wing 2」でも溜め息が出るほど艶のある音色の拡がりが展開し、前半でのアコースティックな響きの質と、後半のエレキ・ギターとの眩しい対比が聴覚に未知の興奮を運んでくれるでしょう。
「Pigs(Three Different Ones)」では原音に眠っていた中~低音域のダイナミックな重量感をグッと惹き出しました。ジャリジャリした音の動きがますます鮮明に浮き上がり、そこに時々閃光の如く鋭く切り込んでくるギターとのコントラストも最良のマッチングで仕上がっています。またロジャーが放つ歌声の抜けの向上感もトピックで、歌詞一語一語のセンテンスが明瞭さを持った事も特筆されるでしょう。7:11~12で" Forty-eight (※ 48)... "としわがれ声で公演回数を叫ぶ例の様子も更にリアリズムを増し、そうしたcharade、すなわち言葉当ての遊びもサウンドのパーツひとつひとつの輝きとして実感出来るのです。
「Shine On You Crazy Diamond Part 1-5」は演奏開始までの数秒間、つまりディスクスタート直後に聴こえる爆竹の音と現場の様子に注目で、ここもレンジの拡がりと出音のシャープさにSigma 177盤との違いが如実に分かるひとコマです。その序盤ギターでもディレイ音がグッと彫りの深い音で出ていますし、楽曲後半で出てくるサックスも驚くべき振幅の深さで出ているなど、ノートのひとつひとつがリアル・ドキュメントとなっています。 「Welcome To The Machine」も音の重みが拡がるパワー・サウンドが炸裂、原音に潜んでいた低音の威力を最大限引き出したリマスター効果が洪水の様に押し寄せ、5:32から暫く続くシンセサイザーの直撃感も拡がりのある超高解像タフネス・サウンドで展開します。「Have A Cigar」も鍛えられ・磨かれた音の余韻がむせかえる様な音色の陶酔を呼び覚ましてくれますし、「Wish You Were Here」にしてもギター弦の波動が史上空前の粒立ちの良さで漂ってゆく興奮を噛み締めるでしょう。
「Shine On You Crazy Diamond Part 6-9」は原音波形の精緻な再現と上質な音の拡散が堪能出来る21分間です。ここで延々と放たれる音の離合集散も聴き手の聴感評価を更に引き上げること確実ですし、終盤で演奏が一度消えてピアノに引き継がれるまでのほぼ無音シーン(※ 16:45~55)も、原音を超える透明感を備えました。 「Money」は中盤でギターのディレイ効果が音群移動装置によって大きくなったり小さくなったり(= 近付いたり遠ざかったり)する様子がSigma 177盤でも確認出来ましたが(5:33~8:13)、あれがここまで鮮明に、しかも全方位に拡散する鋭い響きで出ている点も大きなトピックとなっています。 「Us And Them」も音域の閉塞感が無くなり、そのピュア・ダイナミックな音色の膨らみと旋律の拡がりはロジャーがここで言わずとも、本作を耳にした誰もが" Perfect !! "と叫ぶに違いありません。
★レンジを広げるイコライズで、演奏の鮮明さ、ステレオ感が増してアップグレードしてます。 ★貴重な1977年アニマルズ「IN THE FLESH」ツアーのワールド・ツアー・プログラムを復刻したレプリカ付き(全28ページ)
Disc 1 1. Sheep (#1) 2. Pigs On The Wing (Part 1) 3. Dogs 4. Pigs On The Wing (Part 2) 5. Pigs (Three Different Ones) TOTAL TIME (53:13)
Disc 2 1. Shine On You Crazy Diamond (Part 1-5) 2. Welcome To The Machine 3. Have A Cigar 4. Wish You Were Here (#2) 5. Shine On You Crazy Diamond (Part 6-9) 6. Money 7. Us And Them TOTAL TIME (76:04)
PINK FLOYD / DEFINITIVE BOSTON 1977 (2CD)
Live At Boston Garden,Boston,MA,USA 27th June 1977
Direct-To-Direct Transfer Of Steve Hopkins' Cassette Master Tapes
その興奮は頂点を超え、遂に" 極点 "へ。
テーパーチームJEMSによってスティーヴ・ホプキンス所有のマスターカセットから直落とししたピンク・フロイド1977年のボストン公演がネット公開されたのは2017年のこと。
この公開音源は5箇所で短い部分欠落があったものの、そこにダン・ランピンスキーの同日録音をミックスして過去最高の音質と最長版に仕上げ、世界最速のプレス盤リリースを果たしたのが当Sigmaレーベルの『BOSTON 1977 MASTER TAPES (Sigma 177)』でした。
圧倒的なサウンド・インパクトと過去最長の収録時間で登場したこのタイトルは大反響を呼び、またそのあまりの音質の良さゆえに海外からもオーダーが殺到して短期完売となった一枚です。
あれを超えるものなどあり得ない筈なのですが、このSigma 177盤は上記の通り部分的にランピンスキーの同日録音をミックスはしていたものの、マスターテープ原音の衝撃を主眼に置いたタイトルであったため基本的にノー・イコライジング、ノー・リマスターに徹して制作された一枚であり、品質的なパーフェクト感という面では2つの点で改善の余地が残されていたのも事実でした。
それは、
(1) 全体のリマスター作業
(2)「Sheep」の9:07付近にまだ若干残っていたテープの劣化です。
特に(1)についてはあまりに高品質な原音であったためそれをする必要や理由も無かった訳ですが、これは言い換えると" あの極上ソースを現在の最新技術でリマスターしたら一体どれほどのウルトラ・サウンドで甦るのか? "...という、聴覚をくすぐる課題が残されたまま時が過ぎていたとも言えるでしょう。
しかもそれが上記(2)の問題点までパーフェクト解決した完全無欠の最長収録版だとしたら...? そう、それを現実のものにした頂点突き抜けの77年ボストン決定版が本作なのです!!
しかし元々の録音が大変優れたものだけに、具体的にどういうリマスターなのかと疑問を持たれる方も多いと思います。特にこの録音の場合、ホプキンスの居た座席が" Section AA, Row10, Seat3-4 "と、当日会場のPAから出る音をド直球で録音出来る位置に居た事が判明しているため、その録音位置の旨みを100%活かして惹き出すリマスターにする必要もありました。
それゆえあの原音をどう研いで、眠っていた音の可能性をどう覚醒させるかは大きな課題だった訳ですが、我々Sigmaスタッフが或る事に注目して狙いを定めたのはレンジの拡大、サウンドのワイド感だったのです。
Sigma 177盤を注意深くお聴きになると判るのですが、そこではPA直撃で拾った音群移動装置の効果が所々で確認出来ます。分かり易いのは「Money」中盤でギターのディレイ効果が大きくなったり小さくなったり(= 近付いたり遠ざかったり)する様子ですが、これがスピーカーの真正面から直接音を拾っている割には音の抜けと拡がりがいまひとつなのです。また音符と音符の間に隙間が多い曲(※ 例えば「Shine On You Crazy Diamond」)や、中音域を多用する「Have A Cigar」でも響きの振幅の浅さや音像全体の閉塞感が時折り顔を覗かせていたため(※ 勿論それでも充分過ぎるほど非凡な音像なのですが)、このミドル・レンジを中心に125Hz~250Hzの音域を拡げ、高音のエアー感とニュアンスなど10Hz付近の音に明瞭感を与える調整をする事で原音の魅力をシフトアップ出来ると考えました。
また殆ど一小節ごとにノイズ・チェックする事で透明性を更に上げ、音の粒が持っているスピードとエッジの高まりも実現。結果、鋭い瞬発力を持った精度の高い音色の振幅が、潤いたなびかせて全方向へ伸び切ってゆくサウンドが実現したのです。更に相乗効果としてステレオ感もグッと増し、Sigma 177盤では隠れていたサウンド・エネルギーが聴き手のイマジネーションに深く突き刺さる究極の77年ボストンが誕生したのです!!
そんなブラッシュアップ感満点のサウンドで甦る「Sheep」ではいきなり大きなトピックが登場します。前述した改善点(2)で示した通り、あの9:07付近のテープ劣化痕が完全に無くなっているのです。その成果は「ここがその部分だ」と知って聴いてもまず判らない完璧な仕上がりとなっており、これによってこの日特有のあのスピード感・ドライヴ感が一片も損なわれないまま終曲まで駆け抜けてゆく興奮を実現させています。
「Dogs」でも導入部のギターが更に芯のある音色で息を吹き返し、ギルモアの間近な歌声にはレンジの拡がりに加えて奥行きまで感じられるリマスターの極みを体感出来るでしょう。タムやスネアのアタック感もますます際立ち、13:27から展開する後半ギター・ソロでの音色の量感と解像度、そしてアンサンブルに戻って終曲してゆく終盤の展開などは衝撃のリマスター・インパクトとなっています。
「Pigs On The Wing 2」でも溜め息が出るほど艶のある音色の拡がりが展開し、前半でのアコースティックな響きの質と、後半のエレキ・ギターとの眩しい対比が聴覚に未知の興奮を運んでくれるでしょう。
「Pigs(Three Different Ones)」では原音に眠っていた中~低音域のダイナミックな重量感をグッと惹き出しました。ジャリジャリした音の動きがますます鮮明に浮き上がり、そこに時々閃光の如く鋭く切り込んでくるギターとのコントラストも最良のマッチングで仕上がっています。またロジャーが放つ歌声の抜けの向上感もトピックで、歌詞一語一語のセンテンスが明瞭さを持った事も特筆されるでしょう。7:11~12で" Forty-eight (※ 48)... "としわがれ声で公演回数を叫ぶ例の様子も更にリアリズムを増し、そうしたcharade、すなわち言葉当ての遊びもサウンドのパーツひとつひとつの輝きとして実感出来るのです。
「Shine On You Crazy Diamond Part 1-5」は演奏開始までの数秒間、つまりディスクスタート直後に聴こえる爆竹の音と現場の様子に注目で、ここもレンジの拡がりと出音のシャープさにSigma 177盤との違いが如実に分かるひとコマです。その序盤ギターでもディレイ音がグッと彫りの深い音で出ていますし、楽曲後半で出てくるサックスも驚くべき振幅の深さで出ているなど、ノートのひとつひとつがリアル・ドキュメントとなっています。
「Welcome To The Machine」も音の重みが拡がるパワー・サウンドが炸裂、原音に潜んでいた低音の威力を最大限引き出したリマスター効果が洪水の様に押し寄せ、5:32から暫く続くシンセサイザーの直撃感も拡がりのある超高解像タフネス・サウンドで展開します。「Have A Cigar」も鍛えられ・磨かれた音の余韻がむせかえる様な音色の陶酔を呼び覚ましてくれますし、「Wish You Were Here」にしてもギター弦の波動が史上空前の粒立ちの良さで漂ってゆく興奮を噛み締めるでしょう。
「Shine On You Crazy Diamond Part 6-9」は原音波形の精緻な再現と上質な音の拡散が堪能出来る21分間です。ここで延々と放たれる音の離合集散も聴き手の聴感評価を更に引き上げること確実ですし、終盤で演奏が一度消えてピアノに引き継がれるまでのほぼ無音シーン(※ 16:45~55)も、原音を超える透明感を備えました。
「Money」は中盤でギターのディレイ効果が音群移動装置によって大きくなったり小さくなったり(= 近付いたり遠ざかったり)する様子がSigma 177盤でも確認出来ましたが(5:33~8:13)、あれがここまで鮮明に、しかも全方位に拡散する鋭い響きで出ている点も大きなトピックとなっています。
「Us And Them」も音域の閉塞感が無くなり、そのピュア・ダイナミックな音色の膨らみと旋律の拡がりはロジャーがここで言わずとも、本作を耳にした誰もが" Perfect !! "と叫ぶに違いありません。
考え抜かれた最新リマスターにより、遂に完成度極まったホプキンスのマスター・サウンド。音像の拡がりがそのまま知見の広がりに直結してゆく最新作と言えますが、もし仮にホプキンス自身がこれを聴いても、聴き馴染んでいる筈の自分の録音がこれほどの可能性を秘めていた事に驚きを隠せないのではないでしょうか。それと同様、以前何らかの既発盤でこの77年ボストンを聴いた事がある方も、そしてあのSigma 177盤をお持ちの方であっても、その上をゆくこの高精度なアッパー感は激しく知を揺らす体験となる筈です。遂に" DEFINITIVE "の冠を付けて登場した77年ボストン録音の決定版、あと数日だけ指を折り、期待を胸に秘めその電撃登場をお待ち下さい!!
★レンジを広げるイコライズで、演奏の鮮明さ、ステレオ感が増してアップグレードしてます。
★貴重な1977年アニマルズ「IN THE FLESH」ツアーのワールド・ツアー・プログラムを復刻したレプリカ付き(全28ページ)
Disc 1
1. Sheep (#1)
2. Pigs On The Wing (Part 1)
3. Dogs
4. Pigs On The Wing (Part 2)
5. Pigs (Three Different Ones)
TOTAL TIME (53:13)
Disc 2
1. Shine On You Crazy Diamond (Part 1-5)
2. Welcome To The Machine
3. Have A Cigar
4. Wish You Were Here (#2)
5. Shine On You Crazy Diamond (Part 6-9)
6. Money
7. Us And Them
TOTAL TIME (76:04)
(#1) 9:07 のテープ劣化が無いヴァージョン
(#2) ミスで最初,関係ない楽しい曲が延々とかかってしまう
empress valley mid moonchild tarantura