■ナイト・オン・ザ・プラネット NIGHT ON EARTH/本編128min+特典映像■ 『ウィノナ・ライダー、ロベルト・ベニーニ他、個性派スターが集結!! ユーモアとペーソス溢れるジャームッシュの長編5作目!』 「ナイト・オン・ザ・プラネット」は、同時に起こる5つのコメディーが連続することによって、異なるタイムゾーン、異なる大陸、異なる言語が繋がっていく映画である。5つの部分がそれぞれ焦点をあてるのは、タクシードライバーである彼または彼女と乗客たちとが、夜を走り抜けながら、車内の狭い空間を共有しつつ、目的地まで宙ぶらりんの状態になる、そんなつかの間の関係だ。映画は、夕暮れが宵闇に包まれる「ロサンゼルス」から始まり、夜の「ニューヨーク」へ、次いで「パリ」に、そして「ローマ」に移り、最後に、再び陽が昇り、冬の夜が要綱に溶け込んでゆく「ヘルシンキ」で終わる。ジャームッシュ監督らしく、時にユーモラスに、また時にはメランコリックに、バラエティ豊かに描写。くわえタバコで颯爽としたタクシー運転手ぶりを見せる人気女優ウィノナ・ライダー、カサヴェテス映画のミューズであるジーナ・ローランズ、「リミッツ・オブ・コントロール」の孤独な殺し屋を演じたイザック・ド・バンコレ、「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」のベアトリス・ダル、「ダウン・バイ・ロー」に続いてオフビートなユーモアをもたらすロベルト・ベニーニ、アキ・カウリスマキ作品の常連でフィンランドの名優マッティ・ペロンパーら、ジャームッシュ組を中心とした、豪華で多彩なキャストの魅力的な顔合わせも見逃せない。ジャームッシュ組としては役者としての活躍が目立つトム・ウェイツが、本作では本業の音楽を担当し存在感を発揮している。
■ゴーストドッグ GHOST DOG : The Way of the Samurai/本編116min+特典映像■ 『サムライ魂が宿る孤独な殺し屋を描くスタイリッシュ・アクション!! ヒップホップが地に響き、殺しの伝書鳩が空を舞う。生まれはストリート。愛読書はHAGAKURE。』 「武士道といふは、死ぬことと見つけたり」 日本古来の武士道の指南書「葉隠(はがくれ)」に著された言葉を銘とし、殺し屋として生きるゴースト・ドッグ。かつてマフィアの幹部に命を救われた彼は、その恩義に報いるためマフィアから指令を受け、人を葬る。だが、手違いから逆にマフィアに命を狙われるハメに陥り、やがて壮絶な闘いに…。ジム・ジャームッシュの手によって生み出された伝書鳩を友とする黒いヒーローは、これまでのどんな映画にもない凄烈で斬新な映像を切り結ぶ。まるで世間と無関係に、孤独に生きる主人公を演じるのは、今や監督業にも進出している個性派俳優フォレスト・ウィテカー(「クライング・ゲーム」)。ジャームッシュが彼を想定して脚本を書いたと言うだけあって、切れ味鋭い殺し屋を好演する。英語を解さないアイスクリーム売りと言葉を越えて心を通じ合わせるシーンの、そしてRZA(ウータン・クラン Wu-Tang Clan)によるヒップ・ホップ音楽のカッコ良さ、ジャームッシュ映画の新たな始まりを告げる一編だ。共演はマカロニ・ウエスタンの敵役として名を上げた名優ヘンリー・シルヴァ(「復活の日」)、クリフ・ゴーマン(「オール・ザット・ジャズ」)、ジョン・トーメイ(「リアル・ブロンド」)ほか、イザアック・ド・パンコレ(「ナイト・オン・ザ・プラネット」)、ゲイリー・ファーマー(「デッドマン」)ら常連組が脇を固めている。撮影はヴィム・ヴェンダース監督とのコンビでニュー・ジャーマン・シネマを支え、アメリカに渡ってからはジャームッシュ作品を多く手掛けている名手ロビー・ミュラー。
(2024年 4月 28日 21時 19分 追加)