このショウ自体はすでに速報盤『TOKYO DOME 2024(Uxbridge 2132)』でレポートしておりますが、本作はまったくの別録音。それも、とんでもない超絶サウンドの奇跡版なのです! 実際、このサウンドは「完全オフィシャル級」と呼ぶしかない。録音家本人から譲られたので間違いなくオーディエンス録音なのですが、演奏音は完全鉄壁でケチの付けようがない。それこそ、オフィシャルSBDに生々しい拍手をちょっと付け足したような感じなのです。
まったくもって「???」な奇跡サウンドなのですが、唯一思い当たる原因は録音家。実は、本作を手掛けたのは、再編GUNS N' ROSESの超名盤『SAITAMA SUPER ARENA 2017 2ND NIGHT(Zodiac 231)』のテーパーなのです。もちろん現代最高レベルの名手とは言っても、そこまで超絶名サウンドは連発できない。GUNSは録音の女神の微笑みパワーを借りなければ到達し得ないサウンドでしたが、7年を経て今度はQUEEN+アダム・ランバートで奇跡が起こったのです。
【全世界最終公演で記録された全世界最高傑作】
そんなミラクル・サウンドで描かれるのは、“THE RHAPSODY Tour”の最終形態でもある千秋楽のフルショウ。本作は日本うんぬんを超えた全世界の至宝ですので、ツアーの象徴映像である『RHAPSODY OVER LONDON(Uxbridge 1730)』との比較で整理しておきましょう。
●70年代(11曲)
・オペラ座の夜:I'm in Love With My Car/Love of My Life/Bohemian Rhapsody
・華麗なるレース:Teo Torriatte (Let Us Cling Together)(★)/Tie Your Mother Down/Somebody to Love
・ジャズ:Fat Bottomed Girls/Bicycle Race/Don't Stop Me Now
・その他:We Will Rock You/We Are the Champions
●80年代以降(12曲)
・ザ・ゲーム:Another One Bites the Dust/Crazy Little Thing Called Love
・ザ・ワークス:Radio Ga Ga(オープニング&リプライズ)/Hammer to Fall/Is This The World We Created...?(★★)
・カインド・オブ・マジック:Who Wants to Live Forever/A Kind Of Magic
・その他:I Was Born To Love You(★)/I Want It All/Under Pressure/The Show Must Go On
※注:「★」印は名作プロショット『RHAPSODY OVER LONDON』で聴けなかった曲。特に「★★」印は日本初披露でもあった曲。
……と、このようになっています。「Radio Ga Ga」からスタートする構成は同じ“THE RHAPSODY Tour”とは思えないほど新鮮ですし、曲順も大幅に変化。日本限定のお約束「手をとりあって」と「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」も披露されています。その中で特別なのが「Is This The World We Created...?」。映画には出てきませんでしたが“LIVE AID”で演奏された曲でもあり、1985年の“THE WORKS Tour”以来の復活曲。QUEEN+アダムとしては2023年に初めて取り上げられ、もちろん日本でも今回が初披露です。