1960年代初頭から頭角を現し、無数の録音を残したアルフレッド・グティエレス。そんなグティエレスがキャリア初期に名門CodiscosのサブレーベルにあたるCosteoに吹き込んだのが、この『 Asi Es... Con Salsa !』だ。CodiscosのヘッドA&Rであるウンベルト・モレノから当時南米をも席巻していたニューヨーク・スタイルのサルサに捧げるアルバムを制作する許可を得ると、ソノラ・ディナミタのヴォーカリストとして当時人気を博していたルチョ・ペレスを招聘。トロンボーン、ベース、そしてアコーディオンを配したコロンビア特有のトロピカルなフィルターでサルサを再解釈した、カルト的人気を誇る一枚だ。
生々しいサウンド、弾力にあふれたエナジー、重厚なブラスとピアノのアレンジ、自由奔放な即興セクションは、本場NYCとはまた異なるコロンビアならではの魅力がぷんぷん。なんといっても衝撃的なのが、グティエレスの燃えるような怒涛のアコーディオンとサルサ・サウンドの完璧なまでの融合だ。その奇想天外なスタイルゆえ、グティエレスは「El Rebelde Del Acorden (アコーディオンの反逆者)」というニックネームを獲得したとまで言われている。