■書籍/懐紙に親しむ/懐紙とはなにか/表具師に聞く-懐紙の表装/茶席に観る茶掛の懐紙/懐紙はなぜ茶掛になったか/重文.国宝/茶掛.掛軸.茶道

●●「懐紙の系譜と約束事を読み解く」・名児耶明・（五島美術館学芸部長）・・・●●

★時代によって、筆者によって、まちまちだった懐紙の書き方。平安・鎌倉時代を経て、室町時代にはその書
　式が定型化していきます。先人の名筆を味わいながら、書式や約束ごとを読み解き、懐紙の流れを展望して
　みましょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

●一首を三行と三字で書く。室町時代以降、和歌懐紙の書式はこのように定型化しました。

ー”定型化した懐紙の典型的な形式”ー

◆手の幅だけスペースを開ける。　　　　　　
◆歌題。　　　　　　　　　　　　　　　　　
◆官位＋読んだ人の名前。　　　　　　　　　
◆和歌一首を三行と三字に分けて書く。　　　
◆最後の三文字は変体仮名。　　　　　　　　

●時代が下がっても、天皇から下々まで、一首を三字三行に書くのが通例でした。　　

◆霊元天皇筆・「宸翰和歌懐紙」・（江戸時代・紙本墨書・冷泉家時雨亭文庫）。
◆尾形乾山筆・「和歌懐紙」　　・（江戸時代・紙本墨書・根津美術館）。　　　

●●「定型化以前」ーーの懐紙・・・●

●現存最古、和歌懐紙のさきがけ・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

◆西行筆・「一品経和歌懐紙」・（国宝・鎌倉時代・紙本墨書・京都国立博物館）。

★歌題と名前の書き方。　　　　　　　　　　　　
★写経した経の裏に書いてあった。　　　　　　　
★読まれた歌は二首。　　　　　　　　　　　　　

●名品として名高い和歌懐紙の粋。

◆藤原家隆筆・「熊野懐紙」・（国宝・鎌倉時代・紙本墨書・陽明文庫）。

★署名がないのは天皇の自詠。　　　　　　　　
★歌題からいつ詠んだか判明することも。　　　
★官位＋名前を記す。　　　　　　　　　　　　

●「定型化以前の多彩な懐紙ヴァリエーション」・・●

●一度使用した紙に書いた、和歌懐紙。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

◆藤原定家筆・「反古懐紙」・（鎌倉時代・紙本墨書・五島美術館）。　　　　　　　　　　　

●熊野懐紙そっくりの同年代に書かれた懐紙。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

◆平家重筆・「熊野類懐紙」・（重要文化財・鎌倉時代・紙本墨書・金沢市中村記念美術館）。

●一紙に三首も詠んだ懐紙が登場。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

◆慈円筆・「三首和歌懐紙」・（鎌倉時代・紙本墨書・五島美術館）。　　　　　　　　　　　

●●表具師に聞くー「懐紙の表装」・（協力ー得水軒）・・・●●

★本紙と表具は表裏一体。懐紙を掛物として表装するには、どのようなポイントをふまえるとよいのでしょう
　か。注文主、名児耶明氏と表具師・遠藤三右衛門氏とのやりとりをたどりながら、裂選びの過程をルポしま
　す。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
**”画像ー３に続く”**