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日本暦学史/佐藤政次/多数の図書・文献を渉猟して日本における暦学発達の歴史を編術された/日本暦学研究者に良い指針を与えるものと信ずる
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1968年 681P＋索引40P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
日本大学会頭 名誉法学博士
古田重二良
著者は本大学法文学部の史学を専攻された人であって、卒業の論文には秋田が生んだ偉人平田篤胤の暦数論を研究して優秀な成績で卒業されたことを記憶している。
著者はその後も更に研究を重ねて、昭和十八年には『平田篤胤の科学精神』という著書を発表されたのである。その内容は国学者として世に知られていた平田篤胤が、実は晩年において天文暦数を東洋・西洋に亘って研究し、宇宙構成の原理を究めて『天朝無窮暦』という長暦を世に出されている。篤胤はこの研究をもとにして思想の大系を立てられ、偉大な功績をのこした。このことを世に知らせ、平田篤胤は科学者であることを示している。
爾来著者は研究を続け中国の唐代に於ける「宣明暦の研究」を完成され、それを正論文とし、次に日本に於ける原始古代より中世・近世・現代までの暦学の発達経過の研究をまとめられて、「日本暦学発達史」を完成し、それを副論文として旧制度の文学博士の称号を得られている。
今ここに以上の研究を綜合して『日本暦学史』というものを世に発表することになった。
これを一読してみると、要は宇宙構成について特に太陽系運行と他の恒星群との関係が、地球世界に棲息する動植物、特に人類と如何なる関係にあるかの研究である。即ち暦学の根本原理はそこにあるのである。
そしてそれを更につきつめていくと、例えば太陽系というものが、つりあいのとれた運行を秩序正しく行なっていることを極め、これによって一年の計画を暦として予告するところにある。つまりばらばらになっているような太陽と月及び地球ならびに木火土金水の五星が一つの系列のもとにバランスのとれた運動をしていることが原理となっている。それは何故かという見地から考察すると、元は一つであるからである。相対するように見えるが一元の絶対に帰する故である。
私が今日世にうったえている調和の原理もそこにある。東西に思想が分かれ対立している国々は、自国の利益だけを追求してあい対立している。労資は対立している。人種は対立している。そうした対立関係はこのようにいくらでも挙げることができる。分化して対立し、抗争して相互にすりへらしているだけである。
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