作曲家、プロデューサー、アレンジャー、プレイヤーとして、ゴスペル畑からポップ・フィールドへと活動の場を広げていったミュージシャン、トミー・シムズ。 シンガー/アーティストとしての彼は知る人ぞ知る存在かもしれないが、何よりもエリック・クラプトン「Change The World」の共作者として名を残す人。マイケル・マクドナルドやマイケル・ボルトンなどのプロデュースもやっているようで、ソウルやR&Bの枠に囚われず幅広く活動してきた。
そんな彼が、ネオソウル隆盛の最中となる2000年にリリースした唯一のリーダー作が本作『Peace And Love』。ナッシュビル出身だけあって、ここで聴けるのは南部の土臭さが薫るカントリー風味を塗したソウル・ミュージックを軸に、ニュー・ソウル的なメロウでファンキーなグルーヴも織り交ぜたサウンド。ドラム・プログラミングは一切無しの完全生ソウル・サウンドだが、古臭い感じはなくイイ塩梅にアーバナイズされているように思う。
アコギとハーモニカが土臭く温かいカントリー・ソウル「Which Way」からアルバムはスタート。「100」はズッシリ重たいボトムのミッド・ファンクで、曲終盤はゴスペルっぽく盛り上がる。 本作のハイライトとなる「A New Jam」は、荘厳なストリングス・アレンジを伴った70年代ニュー・ソウルにダイレクトに繋がるムードを持ったナンバーで、どこかボビー・ウォマックの名曲「You're Welcome, Stop On By」を思わせたり、あるいは歌詞にも折り込まれているマーヴィン・ゲイ「What's Going On」ぽかったり。 これもストリングスが宙を舞う爽快なファンク・ダンサー「When You Go」、スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加した「Summer」は、曲調もサウンドもこれはまるでスティーヴィーの「Big Brother」みたい。ネイキッドでソウルフルな歌唱がエリック・ベネイにも負けていないバラード「Write One This Way」、アコースティックなほんわかミディアム・ソウル「Alone」、「The Way It Used To Be」もアコースティックな肌触りのスロウ。
弾むようなリズムに乗って歌われるポップな「Comin' Home」、重苦しい雰囲気漂うメッセージ・ソング「The Ballad Of Sophie」、真摯なピアノ・バラード「It Don't Matter To The Sun」、美しも物悲しいストリングスに導かれる8分にも及ぶ大作バラード・ナンバー「Love's Patience」 アルバム・タイトル曲「Peace And Love」は、「A New Jam」同様のニュー・ソウル・テイストのミディアム・スムーヴで、やはりこういう曲の気持ちよさは格別。曲後半はゴスペル・クワイアを伴って熱く厚く盛り上がる。アルバム・ラストはオープニング・ナンバーの続編となる「Which Way Part Two」でシメ。
Peace & Love
シンガー/アーティストとしての彼は知る人ぞ知る存在かもしれないが、何よりもエリック・クラプトン「Change The World」の共作者として名を残す人。マイケル・マクドナルドやマイケル・ボルトンなどのプロデュースもやっているようで、ソウルやR&Bの枠に囚われず幅広く活動してきた。
そんな彼が、ネオソウル隆盛の最中となる2000年にリリースした唯一のリーダー作が本作『Peace And Love』。ナッシュビル出身だけあって、ここで聴けるのは南部の土臭さが薫るカントリー風味を塗したソウル・ミュージックを軸に、ニュー・ソウル的なメロウでファンキーなグルーヴも織り交ぜたサウンド。ドラム・プログラミングは一切無しの完全生ソウル・サウンドだが、古臭い感じはなくイイ塩梅にアーバナイズされているように思う。
本作でもギター、ベース、キーボードなど多くの楽器を自身で演奏するトミーだが、何よりも際立つのはやはりソングライターとしての才。おそらくスティーヴィー・ワンダーからの影響が大きいと思われ、本作も曲は粒揃いで文句のつけようがない。
シンガーとしてもなかなかの実力で、節回しなどにはやはりスティーヴィーっぽさが垣間見える瞬間もあったりするが、やはりスティーヴィー・チルドレンであるエリック・ベネイあたりに近い印象を受ける。
アコギとハーモニカが土臭く温かいカントリー・ソウル「Which Way」からアルバムはスタート。「100」はズッシリ重たいボトムのミッド・ファンクで、曲終盤はゴスペルっぽく盛り上がる。
本作のハイライトとなる「A New Jam」は、荘厳なストリングス・アレンジを伴った70年代ニュー・ソウルにダイレクトに繋がるムードを持ったナンバーで、どこかボビー・ウォマックの名曲「You're Welcome, Stop On By」を思わせたり、あるいは歌詞にも折り込まれているマーヴィン・ゲイ「What's Going On」ぽかったり。
これもストリングスが宙を舞う爽快なファンク・ダンサー「When You Go」、スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加した「Summer」は、曲調もサウンドもこれはまるでスティーヴィーの「Big Brother」みたい。ネイキッドでソウルフルな歌唱がエリック・ベネイにも負けていないバラード「Write One This Way」、アコースティックなほんわかミディアム・ソウル「Alone」、「The Way It Used To Be」もアコースティックな肌触りのスロウ。
弾むようなリズムに乗って歌われるポップな「Comin' Home」、重苦しい雰囲気漂うメッセージ・ソング「The Ballad Of Sophie」、真摯なピアノ・バラード「It Don't Matter To The Sun」、美しも物悲しいストリングスに導かれる8分にも及ぶ大作バラード・ナンバー「Love's Patience」
アルバム・タイトル曲「Peace And Love」は、「A New Jam」同様のニュー・ソウル・テイストのミディアム・スムーヴで、やはりこういう曲の気持ちよさは格別。曲後半はゴスペル・クワイアを伴って熱く厚く盛り上がる。アルバム・ラストはオープニング・ナンバーの続編となる「Which Way Part Two」でシメ。