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宗偏流歴代道具/山田宗囲/主客相楽しむ精神を休・旦・偏三代にわたって主張した侘びの足跡がかずかずの道具となって本書の中に集められた
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昭和51年- 210P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
家元 山田 宗囲
監修のことば
お茶を学ぶものにとって、道具についての知識をないがしろにすることはできません。 一つ一つの道具についてはもちろんのこと、その道具の作られた時代や、作者、そのとり合わせなどについても、よく 心得ておくことが、たいせつな勉強になります。
この度、国内各地に伝来している流祖・宗偏をはじめ、歴代の道具を収録して、一冊にまとめて刊行することになりま したが、これによって、流祖をはじめ、歴代の茶に対する愛情や熱意を、その遺された道具のかずかずによって偲ぶこと ができ、宗偏流の道具を学ぶうえでのよい参考書となるものと思います。
特に流祖は、元来が器用な人だったので、阿弥陀像などの木彫から、茶碗などの陶器にいたるまで、幅広い手造りの道を遺しています。
千利休は、それまでの唐物尊重の時代から茶の道具を国焼物の時代へと、一歩をすすめました。唐物茶碗のかわりに、 長次郎に楽茶碗を作らせました。それは、唐物のような完成品でない、手造りに、茶の湯の世界の範を示しているので す。ここに、利休、宗旦、宗偏は、共通した考え方をしています。
正直で、心つつましく、おごらない佗びの心を発揮して、手造りの道具で茶を楽しみ、その場に芸術的な表現を盛って 客をもてなし、主客相楽しむ精神を、休、旦、偏三代にわたって主張した、侘びの足跡が、かずかずの道具となって、本書の中に集められたといえましょう。
流祖のついた茶杓や茶碗などの銘をみても、まことに斬新なものが多く、江戸前のしゃれたものから仏教的な背景を盛ったものまでがあり、茶道をつらぬく精神内容――その哲学を表現しようとした心がまえが偲ばれます。
「この中に収載された流祖をはじめとする歴代の道具は、宗偏流の茶道を学ぶものにとって、さまざまな感銘を与えられるものです。そして味わうべきものがあります。
流祖の生活圏の広さ、作品の多様さ、影響力の大きさなどから、茶に対する愛情の深さをうかがうべきでしょう。
関東、東海、北陸、近畿、九州など各地の道具所蔵の門流の人々の本書に対する御協力を感謝し、御尽力によって、流祖の道具の優品を網羅し、歴代の道具をあわせて、流として得がたい資料とすることのできたことを深い悦びとします。
昭和五十一年一月
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