英OPUSアイリーン・ジョイス、歴史的名演グリーグ／Ｐ協奏曲他、オリジナル・ステレオ盤ＮＭ

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英OPUSアイリーン・ジョイス、歴史的名演グリーグ／Ｐ協奏曲他、オリジナル・ステレオ盤ＮＭ

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- 6月5日
  
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カテゴリ	音楽レコードクラシック協奏曲
状態	未使用に近い
個数	1
返品	返品不可
自動延長	あり
早期終了	あり
入札者評価制限	なし
入札者認証制限	なし
開始価格	6,500 円（税 0 円）
開始日時	2024.06.01（土）21:01
終了日時	2024.06.05（水）18:12
オークションID	l1137758436

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終了詳細

EILEEN JOYCE plays the GRIEG piano concerto in A minor with the ROYAL DANISH ORCHESTRA conductor JOHN FRANDSEN NOTTURNO IN C MAJOR, Op. 54, No. 4 (Lyric Pieces, Book 5) MELODIE, Op. 47, No. 3 (Lyric Pieces, Book 4) EILEEN JOYCE, piano OPUS 1006 STEREO MADE IN ENGLAND

閨秀ピアニスト中、随一の麗人アイリーン・ジョイスと特に親交があったB. モリソンは、追悼記事を英IPQ（Spring 2000)に寄稿しているが、その冒頭は次のやうにシニカルな書出しで始まる。

「アイリーン・ジョイスの名が”大衆的人気”を博したピアニストとして記憶されているのには幾つかの理由があった。人口に膾炙された作品を繰り返し弾くこと、リサイタルで作品毎に衣替え（ベートーヴェンはブルー、ショパンはグリーン、また皇族崩御の際は仰々しい十字架を垂らしたブラック！）、また聴衆に”主よ、人の望みの喜びよ！”の演奏にあわせ神への祈りを求める等」。Ｂ．モリソンは彼女の美貌が”大衆的人気”の大きな理由であることは当然認識していただろうが、彼女のピアノ藝術の真諦は大衆迎合的な世界とは隔絶したところにあった、というのがＢ．モリソンの上述の書出しに籠めた思いだろう。

1933年にグリーグの協奏曲を初めて演奏し、爾来、27年の間に彼女の同作品の演奏回数は100回以上に及び、その経験を通して得た作曲者と作品に寄せる深遠な理解と愛惜の念、加えて北欧諸国との多岐に亘る深い關係といった点からは、映画《逢引き》のサウンドトラックを請負ったことで彼女のアルバトロスとなってしまったラフマニノフの第２番協奏曲との結びつきを遥かに凌いでいる。

同郷の巨匠グレンジャーが1926年に帰郷した際に当時14歳のジョイスの演奏を聴きその天稟の楽才に驚嘆し、爾来、彼女を支援し薫陶することとなった。一方、グレンジャーはロンドンでグリーグと邂逅した際、グリーグは彼の演奏に感嘆し彼を自宅に招き歓待するなど親交を深めた。グリーグは常々「自分にグレンジャーの技量があれば、この協奏曲を彼と全く同じやうに弾く」と周囲に洩らしていた。そしてグレンジャーを協奏曲の独奏者としてリーズ音楽祭で自身の指揮で協演することを予定していたが、不運にも演奏会直前にグリーグは逝ってしまった。そのグレンジャーがジョイスに「この作品をレパートリーにすべきだ。この作品は貴女の為に書かれたやうな作品だ。グリーグが存命で貴女の演奏を聴けばさぞ驚嘆し満腔の讃辞を呈したことだろう。」と告げたことは畢竟、ジョイスがグレンジャーの衣鉢を継いだ唯一の存在であることを意味する。彼女もまた「グレンジャーからグリーグの協奏曲の解釈、奏法について懇切な教えを受けた。彼がこの作品について語るときは作曲家が自分に直に解題してくれているやうな気がし敬虔な気持ちを抱いたものだった。この作品の録音では断然グレインジャーによるものが最も美しくまた権威あるものだ」と語っていたそうである。

ジョイスが北欧の聴衆に初めてその演奏を披露したのは1950年11月のことである。北欧の雰囲気を醸すエレガントな衣装に身を包んだ彼女の弾くグリーグの協奏曲の繊細かつ直観的で華麗な演奏は聴衆の熱狂の渦に巻き込みスタンディング・オーベーションでもって迎えられた。その後も５回に亘ってノルウェーを訪問し演奏会をオスロを始めベルゲン、スタバンゲル、ハーマル、そしてフレドリクスタの諸都市で開催した。その後ベルゲンを再訪した際にはトロールハウゲンのグリーグの旧居へ招かれ、グレインジャーとグリーグの往復書簡を見たり、グリーグの遺灰が封入された記念碑に出向いたりもした。デンマークの音楽ファンは1958年まで彼女の訪問を鶴首させられたものの、その訪問の際には演奏会開催に加えて祖国の誇る指揮者ジョン・フランドセンとデンマーク王立管弦楽団がアイリーン・ジョイスとともに彼女のグリーグの協奏曲の解釈を、当時、最新のステレオ録音でＬＰに演奏を刻む僥倖を手にしたのである。

アイリーン・ジョイス(oyce, Eileen ; 1908.1.1タスマニア島～1991.3.25英国)、稀代の美貌と超絶的技巧で人気を博すもストレスに因る苦痛から1962年引退し隠棲、その数奇な生涯は伝記『A PORTRAIT』に詳しい。映画「Wherever she goes」の冒頭と終末部で全盛時の彼女がグリーグの協奏曲を弾く。

当盤は殆ど使用感のないニア・ミントレベルである。オリジナル・ステレオ収録の新プレスによる鮮明な再生音はアイリーン・ジョイスの明澄かつ艶美な音色を十全に再生している。

（2024年 5月 25日 10時 50分追加）
（録音経緯・録音年・録音方式）

”The Dane had to wait until 1958 to hear her, when Eileen combined a recital tour and recording sessions conducted by John Frandsen, at which she finally committed her interpretation of Grieg concerto to disc, in the new medium of stereo and for release on new twelve-inch long playing records". (Richard Davis, Eileen Joyce - A PORTRAIT, Fremantle Arts Centre Press, 2001, p. 157)