プッチーニ 歌劇 ボエーム ビーチャム ロスアンヘレス ビョルリング メリル トッツィ コレナ アマーラ 極美品 EMI モノ RCA管 1956.3

プッチーニ 歌劇 ボエーム ビーチャム ロスアンヘレス ビョルリンク メリル トッツィ コレナ アマーラ 極美品 EMI モノ

ビーチャムのボエームです。これは本当に良い演奏です。メトなどでのライブを除くと ビーチャムのオペラは非常に少なく 残る物はカルメンとこれくらいだと思います。共に名演として有名で、EMI時代は事あるごとに再発売が繰り返されていたほどの 自慢の名演でした。決してハイカロリーの演奏ではないのですが、バランスといい情緒といい絶妙な指揮でした。更に凄いのが歌手で、ズラリと並んだスターたち。テバルディ盤 カラス盤に負けず劣らずの顔触れで、どれもが本役として通用する適役ばかりです。つまり 1950年代は歌手の層がとても分厚くて、ベストキャストが3通りも組めたという事になるのかと思われます。ホントに凄い時代でした。
特に ロスアンヘレスのミミがベストだと思います。普通 ミミと言えばフレーニで、全く異存の無い “世界一のミミ” なのですが、その“天下無双”感 やスーブレット（スザンナ ノリーナ アディーナなど）の残影が、ミミの持つ“影”の部分をかき消す印象があったようにも感じます…精神的にタフで闊達なミミ。ロスアンヘレスだと 貧しく 弱く 寂しい女性像が現れて、“身体まで売る” という暗い背景がとてもリアルに感じ取れて不思議です…言わば短調の味。未聴の方には一聴をお勧めしたいと思います。
他に面白い事に…この録音は “歌”はステレオ、“オケ”はモノで記録された珍しい録音として有名です。いかにも過渡期のテスト録音らしい混淆ぶりが感じられます。事実、東芝LP時代には ステレオの歌と 擬似ステ化したオケを合わせて、ステレオ盤として発売された事もありました。…つまり 4分の3のステレオ盤。なにか微笑ましいです。ただし カイルベルトのデッカ盤オランダ人の例がある通り、そうしたケースではCDの発売権は微妙な事になるものらしく、この盤の場合も CDは全くのモノでの発売でした。
ニューヨーク録音でRCA管弦楽団。いわゆる覆面オケで、メトのオケかと思われます。

極美品です。大変綺麗に残っていました。厚いブックレットに4カ国対訳付き。こんな贅沢はもうできないでしょう。

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