スーパーデラックスのリリースが待たれる名盤「BACK TO THE EGG」を引っ提げたツアーであったことから、同アルバムからの曲を大量にフィーチャーしていた点も魅力。それでいてオープニングはそれまで演奏されたことのなかったビートルズナンバーの「Got To Get You Into My Life」から幕開けというのが大胆。また「No Words」にリンダが歌う「Cook Of The House」といった具合に、ウイングス・ナンバーもそれまでのツアーで演奏されたことのない曲がレパートリーに導入されるという、非常に意欲的なツアーであったのです。おまけに回る会場はシアタークラスばかり、辛うじてロンドンだけはウェンブリー・アリーナという選択がまた意欲的でした。
その点に関しては、これまた79年ツアーの大きな魅力であり、今の季節に映えまくるクラシック「Wonderful Christmastime」、あるいは「Mull Of Kintyre」辺りで聞き比べれば一目瞭然。今までの「LAST FLIGHT」リリースと違い、コンサートが最後までクリアーな音質で楽しめるとなれば、改めて初心者からマニアまで必須のスタンダード・アイテムへと昇格したアッパー版です!