流行に流されることなく,メロウで心地よいグルーヴ感を基調としたアーティストが多いUKソウル。ある意味,本場アメリカのヒップホップ・ソウルよりも日本人の趣向に合ったサウンドかもしれない。このHil St.SoulもそんなUKソウル系のユニット。ユニットとはいっても,ヒラリーという卓越した歌唱力を有するシンガーをVRSなるプロデューサーがサウンド面で支えるという構成なので,実質,女性ソロ・シンガーと考えてもいいかもしれない。 タイトルどおり,土の香りがするようなアーシーで素朴な雰囲気のナンバーがあるかと思えば,クラブ・ジャズのようなメロウでグルーヴィーなナンバーもあるなど多彩ではあるが,不思議と統一感があり,心地よく聴ける。象徴的なのが「Strictly A Vibe Thang」。アルバム冒頭ではオーガニック・ソウルの香りが漂うファンクナンバー,エンディングではゆらゆらとリラックスした雰囲気でスウィングするクラブ・ジャズ風ナンバーと全く違う顔を見せるが,いずれも心地よく耳になじむ。同様に「There For Me」もVRS MIXでは生ベースを強調したクラブ風のトラックながら,節目節目にはストリングを起用してドラマティックに仕上げ,Cyber MIXではメロウなシンセサイザー/キーボードを基調にコーラスに厚みを持たせることで,より哀感の漂うナンバーに仕上げている。 この他,いかにもUKソウルらしいファンキーで小粋な身のこなしがいい「Nostalgia」,乾いたトランペットの響きが渋いブルージーな「Props」,スティービー・ワンダーとアレサ・フランクリンの「Until You Come Back To Me」のカヴァーなど聴きどころが多い。 エリカ・バドゥをもう少しメロウに聴きやすくした,という感じだろうか。落ち着いて聴けるいいアルバム。
タイトルどおり,土の香りがするようなアーシーで素朴な雰囲気のナンバーがあるかと思えば,クラブ・ジャズのようなメロウでグルーヴィーなナンバーもあるなど多彩ではあるが,不思議と統一感があり,心地よく聴ける。象徴的なのが「Strictly A Vibe Thang」。アルバム冒頭ではオーガニック・ソウルの香りが漂うファンクナンバー,エンディングではゆらゆらとリラックスした雰囲気でスウィングするクラブ・ジャズ風ナンバーと全く違う顔を見せるが,いずれも心地よく耳になじむ。同様に「There For Me」もVRS MIXでは生ベースを強調したクラブ風のトラックながら,節目節目にはストリングを起用してドラマティックに仕上げ,Cyber MIXではメロウなシンセサイザー/キーボードを基調にコーラスに厚みを持たせることで,より哀感の漂うナンバーに仕上げている。
この他,いかにもUKソウルらしいファンキーで小粋な身のこなしがいい「Nostalgia」,乾いたトランペットの響きが渋いブルージーな「Props」,スティービー・ワンダーとアレサ・フランクリンの「Until You Come Back To Me」のカヴァーなど聴きどころが多い。
エリカ・バドゥをもう少しメロウに聴きやすくした,という感じだろうか。落ち着いて聴けるいいアルバム。