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気鋭の文芸評論家が、ミステリー&エンターテイメントと純文学の現役作家100人の、最新作を含む主要作品574点を、厳正かつ徹底的にテイスティングし、100点満点で採点した、究極のブック・ガイド。
日本文学における現役の代表的作家を、純文学とエンターテイメントからそれぞれ50人ずつ上げ、100点満点で点数をつけ評価していく。この手法はロバート・パーカーのワインの評価方法を参考にしている。90点以上を「世界文学の水準」、80点以上を「近代日本文学史で重要な作品」、70点以上を「現在の文学として優れた作品」とし、40点未満を「人に読ませる水準でない作品」、30点未満を「人前で読むと恥ずかしい」としている。
本作では村上春樹、矢作俊彦、小島信夫、石原慎太郎を高く評価する一方で、大江健三郎、渡辺淳一、日野啓三、五木寛之などの大家も厳しい言葉で批評している。また同じ作家の作品でも高橋源一郎は『さようなら、ギャングたち』を91点と非常に高く評価する一方で、『ゴーストバスターズ 冒険小説』を「恥知らず」の一言で斬り捨てている。
1 エンターテイメント編(浅田次郎;綾辻行人;有栖川有栖;池宮彰一郎 ほか)
2 純文学編(阿川弘之;阿部和重;李恢成;池沢夏樹 ほか)
90点以上 世界文学の水準で読み得る作品。
80点以上 近代日本文学の歴史に銘記されるべき作品。
70点以上 現在の文学として優れた作品。
60点以上 再読に値する作品。
50点以上 読む価値がある作品。
40点以上 何とか小説になっている作品。
39点以下 人に読ませる水準に達していない作品。
29点以下 人前で読むと恥しい作品。もしも読んでいたら秘密にした方がいい。
レビューより
当時バリバリの作家も反応してた
評定の中に100巻オーバーのグインサーガひとくくりで96点と書いてあり絶対に嘘だと思いましたが、その後図書館で借りて読んで、この読ませる感はハンパありませんでした。評価は的確。罵倒している作家もあり、悪口上手な人の評論は面白いです。でも評価するべきはきちんと。そして「自家中毒を起こしている要注意」としていた当時の新進作家、阿部和重。予言も的中しており、新人の頃の作品の方が明らかに素晴らしかった
「いい本」、「悪い本」というのは、個人の価値観や嗜好と密接に結びついているので、単純な点数化は避けるべきだとは思いますが(そのことは著者も十分理解されています)、「何を読むべきか」ということを迷っているひとはもちろん、昔読んだ本をしみじみと思い出したい人の期待にも答えられる一冊です。日本の現代文学の案内役を務めてくれた著者には頭が下がります。
この本を読んで読書量が増えた。ぺらぺらと眺めていると、「これ読んでみたいな。」とか「これも面白そうだな。」と、本が読みたくなってくる。元来、現在出版されている岩波文庫を紹介した「岩波文庫解説目録」を眺めていても楽しい質なので、そこに主観が加わったようで面白い。人にススメられた本はやはり読みたくなってしまう。
90点以上の作品は、20作品もない。
96点『仮往生伝試文』(古井由吉)
『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹)
『わが人生の時の時』(石原慎太郎)
93点『抱擁家族』(小島信夫)
92点『生ける屍の死』(山口雅也)
『楡家の人びと』(北杜夫)
91点『うるわしき日々』(小島信夫)
『火山島』(金石範)
『木の一族』(佐伯一麦)
『後日の話』(河野多恵子)
『さようなら、ギャングたち』(高橋源一郎)
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(村上春樹)
『哲学者の密室』(笠井潔)
『テニスボーイの憂鬱』(村上龍)
以下、いろんな作品が点数で評価されています。しかも、29点以下の作品も、たくさん紹介されています。「人前で読むと恥しい作品」には、『団欒』(乃南アサ)、『テロリストのパラソル』(藤原伊織)、『ジゴロ』(伊集院静)、『失楽園』(渡辺淳一)、『砂のクロニクル』(船戸与一)などなど。
う~~ん、29点以下の小説は、当方なんか、評判になったのでほとんど読んじゃってますけどおww