そんな現場で撮影された本作は、胸のすく絶景ショット。左寄りのアリーナ席(C14ブロック13列)から撮影されているのですが、驚くべきは視界の広さ。平らなアリーナ席は前方客の影が障害になりがちなのですが、本作はスカッと広々とした光景がスクリーンを占領する。画面の最下段には振り上げる前方客の腕の影もあるにはあるのですが、その高さが低く、視界を遮らない。むしろ、盛り上がるショウのムードを高める飾りになっているくらいです。実のところ、今週同時リリースとなるもう1本の映像作『NAGOYA 2024: THE VIDEO』とアングルや角度はそっくりなのですが、視界の広さに関しては本作の方に軍配が上がります。
ただし、本作が全面勝利かというとそうとも言えない。『NAGOYA 2024: THE VIDEO』が開演前から終焉まで終始一貫のフル映像だったのに対し、本作は(わずかながら)カットがあるのです。もっともカットとは言っても省略されているのは曲間やアンコール待ちがほとんど。むしろ、映像作品としてはタイトに引き締まっているとも言えますし、飽きる隙を与えず全長1時間46分を駆け抜ける見応えもイイ感じだったりします。
・オペラ座の夜:I'm in Love With My Car/Love of My Life/Bohemian Rhapsody
・華麗なるレース:Teo Torriatte (Let Us Cling Together)/Tie Your Mother Down/Somebody to Love
・世界に捧ぐ:We Will Rock You/We Are the Champions
・ジャズ:Fat Bottomed Girls(★)/Bicycle Race/Don't Stop Me Now
●80年代以降(12曲)
・ザ・ゲーム:Another One Bites the Dust/Crazy Little Thing Called Love
・ザ・ワークス:Radio Ga Ga(オープニング&リプライズ)/Hammer to Fall/Is This The World We Created...?(★★)
・カインド・オブ・マジック:Who Wants to Live Forever/A Kind Of Magic(★★)
・その他:I Was Born To Love You/I Want It All/Under Pressure/The Show Must Go On
※注:「★」印は前回来日(2020年)に演奏しなかった曲。特に「★★」印は大阪初披露となる曲。
2024年になって人気の絶頂を更新しようとしているQUEEN+アダム・ランバート。その豪華絢爛の最新ステージを目撃できる映像ギフトの同時リリースです。実際にご覧になったショウを選ばれる方が多いとは思いますが、そうではない方でもフルショウの完全体験を望まれるなら『NAGOYA 2024: THE VIDEO』を、より広大な視界で濃密に楽しまれたい方には本作をお勧めいたします。