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西澤保彦★収穫祭（上・下）★ 幻冬舎文庫
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「収穫祭（上）」 平成２２年 １０月 文庫２刷
「収穫祭（下）」 平成２２年 １０月 文庫初版
定価 ８７６円、８００円＋税 ５９８頁、４７７頁
＜上＞ 過疎化の進む村の、そのまた外れの地区で起こった殺人事件。台風がやってくるというときに、中学三年生の伊吹は、彼にとっては都会の町に出て映画を観て帰ってきた。今夜は同じ地区の友達の家に泊まるつもりで家にも連絡していた。そして異様な雰囲気の先輩や、同級生と遭遇。雨で橋が流されそうに成っていたが、同級生の女の子の異常な様子に彼女の家に行ってみると、一家が皆が殺されていた。その後はどの家に行っても死体があり、同じように鎌で喉を切り裂かれていた。これが上巻の前半の部分だ。孤立した地区で生き残ったのは3人の中学生とその教師だけ。翌日おとづれた警察に、犯人は外国人だったと伝えるが、10人以上殺害された事件にしては不自然な点もあった。そして上巻の後半は、それから9年後、犯人とされた外国人の老いた父親が、私財を投じて、息子の無実と復讐を果たしに来た。秘書と名乗るジャネットと当時の記事を書いたフリーライターの男が、生き残りの一人当時女子中学生の繭子に、接触してきた。そのインタビューに応じるうちに繭子は、封印して居た記憶にたどり着く。それだけでも驚きの展開なのだが、さらに、ジャネットに連れて来られた場所で起こる事件とは。
＜下＞ 最初の事件から１３年後。伊吹は中学校以前の記憶があいまいだった。高校時代からは漠然と覚えていたが、そんな時母校の高校の臨時講師を頼まれた。そこで、起こった教師の殺害事件。やはり鎌で喉を切り裂かれていた。同様の手口で４年前からこの町では事件が起こっている。徐々に蘇ってくる記憶。母のみだらな姿の写真を見てさらに鮮明な記憶が戻ってくる。１３年前の事件の真相とは何か。４年前から起こっている殺人の犯人は誰か。前の事件と同じ人物なのか。再び村に戻ってきてついにその真相にたどり着く。そして・・・。第４部と第５部が付け加えられている。第４部は事件から２５年後のエピローグ的な物語でこれで事件の終わり。第五部は事件の６年前で事件の発端を示す。この二つが付いて事件全体の収まりがよくなる。
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個人の蔵書なので、すべて一読はしています。すべて自分で読むために購入した本です。
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