1920-2012 日本画家であり、文化勲章受章者、彼は山形県米沢市で生まれ、幼少期に左目を失明する事故に遭いました、その後、狩野派の画家上村廣成に絵を学び、画家としての道を歩み始めました、彼は中国戦線に従軍し、香港で捕虜になった後、復員しました、彼は美術評論家の今泉篤男に指導を受け、日本美術院の同人田中青坪に師事しました、彼は画塾濤林会を結成し、数々の作品を発表しました、特にヒマラヤシリーズは彼の代表作であり、芸術選奨や日本芸術院賞を受賞しました、彼は日本美術院理事や文化功労者としても活躍し、多くの展覧会も開催されました

福王寺法林「富士」日本画 10号 金泥仕様 共シール
本作品は、文化勲章受章者である福王寺法林が描いた、日本の象徴・富士山を題材とした壮大な日本画です。真紅に染まった富士山は、日の出や夕焼けといった自然現象を超え、力強さと神聖さを宿した存在として描かれています。特に、鮮烈な赤色は生命力と情熱を象徴し、観る者に深い印象を与えます。山の裾野を覆う白い雲は、幻想的で静謐な雰囲気を醸し出し、富士山をさらに神秘的な存在として際立たせています。画面下部の湖と冬枯れの木々は、山との対比を際立たせると同時に、富士山を自然界全体と調和させる重要な要素となっています。

福王寺法林は幼少期に失明という試練を乗り越え、中国戦線への従軍や捕虜経験を経て、画家としての道を歩み続けました。その人生は困難と挑戦の連続でしたが、彼の作品には自然への深い敬意と、人生の経験から得た精神性が表現されています。この「富士」は、彼の豊かな感性と画家としての成熟を物語る作品であり、日本画の伝統を尊重しながらも独自の表現で新たな価値を生み出しています。この絵は、自然の荘厳さと日本文化の誇りを感じさせるとともに、観る者に静けさと感動を与える一枚です。