軽快なピアノが転がり、可憐なスキャットが舞うオープニングの「01. Sky High - Lee Mason Sound」からワクワク感全開。続く、プロダクション・デシネからの再発でお馴染みの2つの名曲を経て、ソウルフルな歌声が炸裂する「04. Swearing To God! - Nancy Holloway」は、フランキー・ヴァリのメロウグルーヴ名曲「神に誓って」のファンキーカヴァー。ドライブ感抜群のサウスアフリカン・ファンク「05. We Got a Good Thing Going On - Pacific Express」は既にダンスフロアでの人気も実証済みのガッツ溢れる極上曲。続く、20世紀最高のスキャットグルーヴの呼び声も高い「06. Jockey Disc - Claude Dauray」も奇跡的に正規収録。普通のコンピならこれでもお釣りが来ても良いはずですが、エレピの響きも心地良いメロディアスなジャズビート「07. When She Smiles - Harold Danko Quartet」からドラマはさらに加速し、知られざる日本のインディロックの超名曲「08. Words of Love - Bubble Bus」、オンダヌエヴァ・マスターAldemaro Romeroの実娘が歌う泣きの名曲「09. Sei Sbagliato e Non Lo Sai - Elaiza Romero」に、ミラクルダンサーの誉れ高いフレンチフリーソウルの大名曲「10. Sweet Maryline - Last Exit led by Christian Gaubert」、巨匠エンニオ・モリコーネ作にして、同氏の『ある夕食のテーブル』を超える、涙モノのメロディが最高なボサノヴァ「11. Malinconica Serenita - Ennio Morricone」 、そして本作のハイライトの一つとも言える、国産フリーソウルの最高峰(と言う陳腐な表現しか出来ない自分が情けなくなる位にイイ曲デス)「12. I'm Gonna Miss You - Oh! Penelope」は、CDも随分と昔に廃盤となっている奇跡の名曲。「13. For All We Know - Marva Broome」はファンク盤として人気が高い「Mystifying Mama」のB面に収録された、隠れた名曲。言わずもがなカーペンターズのカヴァーですが、よりソウルフルで感動的なフレンチソウルの逸品。そしてラストを飾る名曲 「14. Live it Down - Medicine」も、きっと今では誰も気に掛けていないであろうシューゲイザー・バンドの知られる(極)美名曲と、ヴァラエティは本当に豊かながら、しっかりと筋の通ったコンセプチャルな作品です。
完全カスタムメイドで仕上げた、特殊なCDサイズのハードカヴァー製本のケースも特筆モノで、その文中では、収録された各楽曲に関するテキストや画像の紹介等もあり、とても充実した仕上がりで、音楽好きな方には読み物としても楽しめるのでは無いかと思います。かなり特殊な仕様ゆえ若干価格は高めになってしまいましたが、良い音楽をいつまでも末永く聴いてほしいと言う思いが伝われば嬉しい限りです。是非とも、ここでしか聴く事の出来ない名曲の数々を、言葉には出来ないドラマをご自身の耳でお試し下さい。