葉室 麟 ４冊◆「大獄 西郷青嵐賦」「柚子の花咲く」「散り椿」「銀漢の賦」
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★内容：
①「大獄 西郷青嵐賦」： 薩摩藩主・島津斉彬に見出された若き日の西郷隆盛。一橋慶喜を新将軍に擁立し、国難に備えようとする斉彬の命を受け、徳川慶福を擁する井伊直弼らとの暗闘を繰り広げるが、やがて井伊は尊王攘夷へ弾圧を始める。主を病で失い、奄美に流された隆盛が抱く想いは・・・。西郷の理想を突き詰めた著者の傑作。
②「柚子の花咲く」： 一人の武士の遺骸が河岸で見つかった。男は村塾の教師・梶与五郎。かつての教え子・日坂藩士の筒井恭平は、師が殺された真相を突き止めるため、命懸けで隣藩に潜入を試みる――。命がけで人を愛するとはどういうことか、人生を切り拓く教育とは何かを問う、感動の長篇時代小説。
③「散り椿」： かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と、藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの―たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動長編。
④「銀漢の賦」： 寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部源五と、名家老と謳われ、幕閣にまで名声が届いている松浦将監。幼なじみで、同じ剣術道場に通っていた二人は、ある出来事を境に、進む道が分かれ、絶縁状態となっていた。二人の路が再び交差する時、運命が激しく動き出す。2007年、松本清張賞受賞作。「銀漢の賦」は、架空の藩を舞台にした時代小説であるが、受賞時には「松本清張さんは同じ小倉の生まれで、非常に近しい感じがしていた」と語る。選考委員を代表して宮部みゆきは「藤沢周平を思わせる正攻法の歴史小説で、ほぼ全会一致で決まった。漢詩を心に残る形で使うなど、教養の高さが物語に厚みを与えた」と講評した。
★著者、葉室 麟は1951年、北九州市生まれ。福岡県立明善高等学校卒業。西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業。地方紙記者、ラジオニュースデスク等を経て、2005年「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。2007年には「銀漢の賦」で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。2009年「いのちなりけり」が直木賞候補、ついで「秋月記」が山本周五郎賞および直木賞候補、2010年「花や散るらん」、2011年「恋しぐれ」が直木賞候補。2012年、「蜩ノ記」でついに直木賞受賞。近年、最も注目される時代小説作家であったが、2017年12月、惜しまれつつ急逝（享年66）。。
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