これが絶頂を極めていた1972年/1973年のYES。「北米#2」から「北米#4」までが“CLOSE TO THE EDGE Tour”です。伝統盤『YESSONGS』や同題の映像版に加え、現在では発掘ボックス『PROGENY: SEVEN SHOWS FROM SEVENTY-TWO』といった公式作もありますが、それらはすべて1972年の記録。それに対し、本作のヒューストン公演は初来日や豪州ツアーさえ通過した最終盤「北米#4」の10公演目にあたるコンサートでした。
そして、この「北米#4」というのがポイント。この最終盤は公式作やサウンドボード類がないだけでなく、記録そのものがほとんどなかった。当店では各国・各レッグを数々の名作でアーカイヴしておりますが、それでも「豪州」レッグの『KANG AND BRAHMS(Amity 066)』止まり。「北米#4」は、まさに未知の領域だったのです。
そんなリアル・サウンドで描かれるのは、半世紀後も超えるもののないシンフォニック・ロックの極地。「Close To The Edge」のイントロでジョンが「Colors Of The Rainbow」を独唱する珍しいシーンもありますが、それ以上に全編を貫くキレッキレな演奏力が鮮烈。それこそ『YESSONGS』にも通じるわけで、やや走り気味のテンポも緊張感を醸しつつ、ビッシビシと鮮やかに決めまくる。しかも、日本/豪州まで制覇した自信と充実感が充ち満ちており、何をやっても上手く行くマジカルなムードさえ漂わせている。まさに絶頂期だけの威光を放つ眩しいステージなのです。
これまで知る由もなかった“CLOSE TO THE EDGE Tour”の最終レッグ。その現場を伝える衝撃の新発掘ライヴアルバムです。「Clap」「And You And I」にテープチェンジと思しきカットがあったりもしますが、そんなことはどうでもよくなるほど音が良い。半世紀を超え、未踏の領域を語ってくれる大元マスター。オーディエンス・コレクターの冥利に尽きる新名盤の誕生です。
★「1973年4月14日ヒューストン公演」の初登場オーディエンス録音。半世紀を超えて発掘された新録音で、録音した本人所蔵の大元マスターから直接デジタル化された銘品。ダビング痕はおろか経年劣化も見当たらない鮮度は驚異的で、芯も力強ければ、鳴りも極めて瑞々しい。現場PAや録音機材に由来するヴィンテージ感がたっぷりと滲む一方で、まるで昨日録音されたようなリアルな空気感がスピーカーから噴き出す。これまで誰も聴いたことのなかった“CLOSE TO THE EDGE Tour”の最終レッグを伝える衝撃の新名盤です。