これだけの録音が実現したのにもワケがある。本作をモノにした録音家はPINK FLOYDの『SAPPORO 1972: DIRECT REEL MASTER(Sigma 137)』やCHICAGOの『SAPPORO 1973(ZION-093)』と同じ人物。早くも伝説化しつつある2作品ですが、本作もさらに名声を高める極上クオリティ。実のところ、この録音自体は以前にも出回った事もあったのですが、正真正銘のマスター・サウンドは今回が初。既発群にはなかった「Evil Ways」まで完全収録した最高・最長・最良のベストバージョンなのです。
そのサウンドで描かれる人気絶頂ライヴがまた、何とも素晴らしい。大代表作『ABRAXAS』の4曲+『AMIGOS』の3曲を主軸としつつ、そこに「Give And Take」「Toussaint L'Overture」「Evil Ways」を織り交ぜる構成。この時点では、まだ『AMIGOS』の発売直前だったわけですが、すでに「哀愁のヨーロッパ」を筆頭にショウの核。それを目の当たりにする観客たちの大歓迎ぶりも克明に記録されているのです。