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安田 敏朗
定価: ¥ 3000
植民地官僚から京城帝大教授となった小倉進平。近代朝鮮語学の基礎をつくったとされる彼の方言研究はいかなる意味を持ったのか。植民地支配下における「民族語」構築に日本人学者が担った役割を問い直し、国家統治体制のありようと言語・言語研究との関係を探る。
※ 主に外面(カバーや裁断面)に対してですが、うす汚れやコスレ傷多数あります。特に裁断面に黒ずみが多く見受けられます。紙面に目立った傷みはありません。書き込みもなしです。
■目次
序章 11
序章注 21
第1章 小倉進平略歴 23
第1節 経歴と業績 24
第2節 近代朝鮮語と小倉進平 33
第1章注 37
第2章 朝鮮語研究の動機 41
第1節 「国語」確立期と「周辺」諸言語 42
第2節 朝鮮語学習の必要──学務局官僚として 51
学務局編輯課編集書記と教科書 51
三・一独立運動後──編修官として 56
第2章注 64
第3章 書記の研究論文について 69
第1節 音韻論・仙台方言──日本語の通時的考察と共時的考察 71
第2節 初の朝鮮語論──音韻論を糸口にして 77
第3章注 80
第4章 系統論の語り方 83
第1節 金沢庄三郎との距離──いずれ照明される関係 84
第2節 「共通語」たるもの──共通祖語の存在 90
第3節 「交流の場」としての「東亜」 96
第4章注 99
第5章 「国語」普及の論理と「国語問題」 103
第1節 「国語問題」のとらえ方──「内・外地」一体論 104
第2節 「国語」普及の源泉──「国力」 109
第3節 学習の動機──「生活上の必要」・「幸福」論 113
第4節 「国語」普及の範囲──『エコノミスト』誌の議論に寄せて 117
第5節 日本人の外国語学習について 128
第5章注 131
第6章 方言研究の持つ意味 137
第1節 初期方言研究の意図──境界の設定 139
第2節 方言の見方──歴史的再構成のために 145
方言観の特徴 145
「新羅語」との接続──『郷歌及び吏読の研究』と方言調査 149
敬語の構成──『朝鮮語に於ける謙譲法・尊敬法の助動詞』 160
方言採集の持つ意味 162
第3節 方言調査の手法をめぐって 165
第4節 「方言周圏論」・「方言区画論」 174
近代日本における方言の語り方 174
小倉進平の場合 178
河野六郎の場合 186
第6章注 195
第7章 小倉進平と京城帝国大学 207
第1節 京城帝国大学法文学部朝鮮語学朝鮮文学専攻卒業生と講義 208
第2節 卒業生その後 214
第3節 「踏台、捨石」論──研究成果は還元されたのか 219
第7章注 225
第8章 朝鮮語整備事業 229
第1節 小倉進平の場合 230
辞典編纂事業 230
正書法制定事業への参加 242
第2節 朝鮮語学会を中心とした動き 251
朝鮮語学会の結成とハングル運動の意味 251
文学普及運動 253
方言調査の意義とその手法 254
標準語査定について 267
正書法の統一について 269
第3節 小倉進平と朝鮮語学会──接点はありえたのか 273
小倉の標準語認識 273
正書法統一案について 279
第8章注
第9章 地名の改称をめぐる議論──「大東亜戦争」期の異言語認識 293
第1節 「外国地名人名ノ呼称並ニ表記ニ関スル協議会」 295
第2節 小倉進平「南方地名の改称について」 299
第9章注 304
終章 307
終章注 318
あとがき 319
書籍・論文名索引 VIII
事項索引 V
人名索引 I
【管理用】
4409JR1700
「言語」の構築 小倉進平と植民地朝鮮 安田敏朗/著