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校倉の研究/石田茂作/定価9785円/資庫の建築に就いて關する論文其他を調べると共に遺構に就いても再検討を試みた/校倉の起源と名称
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平成4年 昭和26年の復刻版 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
序
昭和二十一年の秋、終戦後はじめて正倉院御物が奈良博物館に展觀せられた時であつた。東京
では皇紀二千六百年の際展観があつたけれども、關西では初めての公開であった事と、正倉院寶 庫の外構の拜親も同時に差し許るされるとあつて、奈良の地は未曾有の賑ひを呈した。 その時で ある、資庫の建築に就いて「今の南・中・北の三倉一棟の建築は始めからのものであつたか、又中 倉を後世ぎ足して今の如くなつたものか」との質問にし、關野博士や岸熊吉氏の説を請け賣 りして「最初から今の如く三倉一棟のものと思ふ」と事もなげに答えては見たものの、後でよく 考へて見るに、果してそう断定出来るか否かに就いて私自身にも疑を生じた。そこで、これ迄の 此の事に關する論文其他を調べると共に、遺構に就いても再検討を試みたところ、此の問題は 相當複雑な問題で、丁度それは法隆寺再建非再建論の如く、どちらの説にも理があり難があり、 まだ結論に達していない問題である事が判った。 以前から正倉院とは切れない關係にある私とし ては、何とかして此の問題を決したい。決定が六かしいにしても、今の際此の議論を更に前進さ せる必要があると思い、關係の専門家を歴訪してその高見をたたいて見たが、問題は複雑になる
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