今回登場するのはマイルス最晩年1991年のライヴ音源。ジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスが逝ったのは1991年9月28日のこと。ここに収められているのはその約二ケ月前のライヴ。自身の最期を知ってか知らずか行われたこのライヴは、マイルスのジャズ史を総括する最高のものでした。飽くなき追求から幾多の変貌を遂げてきたマイルスの、様々な時代を支えた錚々たる猛者たちが一堂に会し、それぞれの時代を回想するかのように共演が実現したのです。参加メンバーとセット・リストを見ただけでディープなファンのむせび泣きが聞こえてくる様。なんと古くはジャッキー・マクリーンから最晩年を支えたデロン・ジョンソンやリチャード・パターソンまで、そしてショーターにハンコック、グロスマンにザヴィヌルにチックにデイヴ・ホランド、ジョンマクにジョンスコまで、そしてエレクトリック・マイルスの長き右腕アル・フォスター等々。『ALL BLUES』やら『IN A SILENT WAY』やら『IT'S ABOUT THAT TIME』やら『FOOTPRINTS』やら、どさくさでハンコックの『WATERMELON MAN』までやって『JEAN PIERRE』で大団円。まさに“最後の晩餐”。表ジャケの内側には誰がどの曲で参加しているのか詳細が記されているのでぜひ参照しながら鑑賞してください。音質は万全のサウンドボード収録ですが、後半マスター起因によりややノイズが被る個所もあります。